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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2010年4月20日

(完)CAに必要な英語力はどの程度なのか

前回、ICAOの英語能力判定指標 (language proficiency rating scale) 上、業務遂行上おの最低ラインとされるレベル4につき、発音、文法・構文、語彙の三つを見ましたが、今回は残りの三つすなわち流暢さ(ひとまとまりの話ができる能力)、内容理解、インターラクション(双方向型の会話能力)の三項目を見て行きます。

流暢さ(ひとまとまりの話ができる能力)

レベル4(合格)

Produces stretches of language at an appropriate tempo. There may be occasional loss of fluency on transition from rehearsed or formulaic speech to spontaneous interaction, but this does not prevent effective communication. Can make limited use of discourse markers or connectors. Fillers are not distracting. ひとまとまりの話をテンポよく続けて行ける。予め用意しておいたものや定型文に基づく話から自力で組み立てることを要する話へと移行する際、ときおり、つっかえたりするが、しかし、これによって効果的コミュニケーションが妨げられることはない。会話特有の間投詞的合図や接続表現をある程度使える。(Um, oh, you know などの)間を持たせるための言葉の使用頻度が耳障りとまでは行かない。

レベル3(不合格)

Produces stretches of language, but phrasing and pausing are often inappropriate. Hesitations or slowness in language processing may prevent effective communication. Fillers are sometimes distracting. ひとまとまりの話はできるものの、言い回しの使い方や間の置き方がおかしいということが多い。迷ったり、あるいは、なかなか言葉が出なかったりして,効果的コミュニケーションが妨げられることがある。(Um, oh, you know などの)間を持たせるための言葉が時に、耳障りだったりする。

内容理解

レベル4(合格)

Comprehension is mostly accurate on common, concrete, and work related topics when the accent or variety used is sufficiently intelligible for an international community of users. When the speaker is confronted with a linguistic or situational complication or an unexpected turn of events, comprehension may be slower or require clarification strategies. 内容理解は、ありふれた、具体的な業務関連の話である場合、国際的に見て一般的なレベルにある英語のユーザーにとり、十分わかるアクセントや方言である限り、ほぼ間違いはない。言葉の使われ方が複雑であるとか、状況が複雑という事態あるいは予想外の展開に直面した場合は、内容を理解するのに通常より時間がかかったり、みずから理解を確かめるため、言い直してもらうなどの手だてを講じる必要がある。

レベル3(不合格)

Comprehension is often accurate on common, concrete, and work related topics when the accent or variety used is sufficiently intelligible for an international community of users. May fail to understand a linguistic or situational complication or an unexpected turn of events. 内容理解は、ありふれた、具体的な業務関連の話である場合、国際的に見て一般的なレベルにある英語のユーザーにとり、十分わかるアクセントや方言である限り、たいていは間違いがない。言葉の使われ方が複雑であるとか、状況が複雑という事態あるいは予想外の展開に直面した場合、理解できないということがありうる。

インターラクション(双方向型の会話能力)

レベル4(合格)

Responses are usually immediate, appropriate, and informative. Initiates and maintains exchanges even when dealing with an unexpected turn of events. Deals adequately with apparent misunderstandings by checking, confirming, or clarifying. 相手の発言へ応答ぶりは、時間を置くこともなく、的確で、必要な情報が入っている。予想外の事態に直面しても、みずからやり取りを開始し、一定時間、それを維持できる。明らかに誤解があるという場合は、問題点を探し出し、確認し、あるいは曖昧さを払拭することでしかるべく対処できる。

レベル3(不合格)

Responses are sometimes immediate, appropriate, and informative. Can initiate and maintain exchanges with reasonable ease on familiar topics and in predictable situations. Generally inadequate when dealing with an unexpected turn of events. 相手の発言へ応答ぶりが時間を置くこともなく、的確で、必要な情報が入っているかと言えば、常時ではなく、時折りというレベルだ。話題が身近なもので、想定の範囲内の状況であれば、概ね妥当と言える範囲で、みずからやり取りを開始し、一定時間、それを維持できる。予想外の事態に直面すると、だいたいにおいて対処しきれない。


以上の三項目をざっと見ると、ケンブリッジ英検で言えば、Limited but effective command of the spoken language を基準として示しているPET (CEFRのB1) に相当すると言えます。(TOEICを能力判定に使うのは賛成できませんが)これを仮にTOEIC に置き換えた場合に何点以上かと言えば、550以上です(ETSみずからCEFRレベルとの換算を示している資料を見ると、CEFRのB1と言えるためには、最低でも550点としています)

そうとすれば、日経や朝日が報じるように、TOEICで500点以上のCAを二人乗務させるという対策は実効性がありません。TOEICで500点レベルというのは、B1の下のA2レベルということになりますが、基本的にCEFRのA2レベルは初級の上レベルであって、実用に耐えるようなものではないからです。B1以上になって初めて、独力でコミュニケーションをこなせるユーザーとされています。

航空業界で英語能力の判定に携わっている人たちはどういう人たちなんだろうと心配になります。

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