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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2010年9月27日

金融英語入門#11-14

金融英語入門の二回目、あまりたくさんあっても飽きるでしょうから、今回は4題にとどめておきます。次回、空欄補充形式の復習問題を掲載する予定です。

11 アメリカでは、すべての先物取引は、その取引が行なわれている取引所と提携している清算機関を通じて決済される。上場オプションも清算機関を通じて決済されるが、株式オプションについてはオプション清算会社 (OCC)が、また、先物オプションについては、その取引が執行された取引所と提携している清算機関がこれを行なう。In the U.S., all futures trades are settled through a clearing house associated with the exchange on which the contracts are traded; all exchange traded options are also cleared through a clearing house, either the Options Clearing Corporation (OCC) for stocks or the clearing house for a particular futures exchange when dealing with options on futures contracts.

MEMO: 上場されている先物の売買での相手方は常に清算機関であり、これにより、当事者は、相手方の不履行を心配することなく取引ができます。その一方、清算機関は、こうした履行を保証するため、個々の取引に際してメンバーの顧客が証拠金を差し入れるように求め、さらに、含み損がふくれあがり、巨額損失事件が生じるのを防ぐため、毎日、メンバーの勘定につき、未決済取引(業界用語では建玉[たてぎょく]と言います)につき値洗い (marking to market)つまり時価評価を行い、前日の評価額との違いを差金としてメンバー間で授受します。例えば、前日の未決済取引の評価額が100だったものが、本日の時価評価で90となれば、買い手になっている者は値下がり分の補填を意味する差金として10を支払い、売り手となっている者は差金10を受け取ります。

◆ 決済
12 アメリカで株式を売買した場合、受渡日(買い手と売り手との間で証券の所有権が実際に移転し、代金と交換される日)は、約定日の3営業日後だ。月曜に株式を買ったとすれば、その間に休日がないとして、木曜までに支払を要する。月曜に株式を売ったとすれば、売却代金を再投資に振り向けられるのは木曜になる。If you trade stocks in the U.S., the settlement date, i.e. the date on which ownership of the security is actually transferred and money is exchanged between buyer and seller, occur/takes place on the third business day after the trade date. If you bought stocks on Monday, your payment will be due on or before Thursday same week assuming there is no holiday during those three days; if you sold your stocks on Monday, the funds would be available for reinvestment on Thursday.

MEMO: 決済とは、目的物の引渡債務(買い手から見れば引渡請求権)と代金支払債務(売り手から見ると代金支払請求権)が履行されるという具合に、対価関係にあるものが無事授受され、債権債務が消滅することを言います。上の証券取引の例では、約定日後3日目に売買代金と証券が交換されることで売買当事者の売買代金支払債務と対応する債権ならびに証券引渡請求権と対応する債務とが消滅します。銀行振込の場合はこうなります。自分のA銀行の口座からB銀行の口座に振り込むということは、(当事者はすぐ現金を手にできますが、)決済という見地からは、A銀行が振込額をB銀行に払渡す債務を負い、B銀行がその額を払ってもらえる債権を取得する格好となります。銀行間で日中、こうした債権債務が積み上がっていくわけですが、わが国の場合、最終的には、全銀システムセンターが集計し、金融機関別の受払差額を算出した上、毎日午後4時15分に各金融機関と東京銀行協会との間で決済が行なわれます。「差引で受取超過となるA銀行さんについては日本銀行当座預金にいくら入金します」、「差引で支払超過となるB銀行さんの口座からは、いくら引き落としをします」という処理になります。なお英語である口座に入金するのは credit the account、逆に引き落とすのは debit the account と形容します。

13 銀行は、決済未了の資金の移動がある場合に決済リスクにさらされる(ここで言う決済未了の資金とは撤回不能の支払ながら後刻、最終的な決済を待って確定されるものを指す)。例えば、円と引き換えにドルを受け取る権利を有する銀行の場合は、円の支払を目的とする撤回不能の指図をした時から、ドルの売り手である銀行からドル支払を目的とする撤回不能の支払指図を受け取るまでの間、「リスクを負っている」。Banks are exposed to settlement risk whenever provisional funds are transferred, where provisional funds mean irrevocable payments that are subject to final settlement at a later time. For instance, a bank entitled to receive dollars in exchange for yen is “at risk” from the time it sends its irrevocable instruction for the yen payment until it receives the irrevocable payment of the dollars bought from the selling bank.

MEMO: 外為取引では受払の時差が問題となります。わが国の東京銀行が米国のアメリカン銀行と、90万円売って、1万ドル買う取引をした場合、手順としては、日本国内にあるアメリカン銀行の口座(コルレス円勘定と呼ばれます)に東京銀行が90万円振り込む一方、アメリカン銀行は米国内にある東京銀行の口座(コルレス米ドル勘定)にドルを振り込むことになりますが、円は日本時間の午後3時(米国時間午前1時)に外為円決済を通じて決済されるのに、ドルは、ニューヨーク時間の午後5時半にCHIPSを通じて決済されるため16時間30分の時差があります。そこで東京銀行が円資金を払い込んだ後にアメリカン銀行が破綻でもすれば、ドルを受け取れず、損害を被ることになります。こうした外為決済リスクとして有名なものにヘルシュタット・リスクがあります。1974年に当時の西ドイツのヘルシュタット銀行が突然倒産したとき、時差の関係でヘルシュタット銀行側はすでにマルクを受け取っていながら、対価のドルを外国銀行に引き渡す直前に業務が停止されてしまい、ドルを受け取る予定だった多くの金融機関が多額の損失を被ってしまいました。現在では、17通貨を対象に運用されている Continuous Linked Settlement (CLS、多通貨同時決済システム)という決済制度を通じて、ヘルシュタット・リスクの軽減が図られています。

14 Fedwire(アメリカ国内における電子資金決済システムの基幹を担っており、米金融機関にのみ開放されている)やCHIPS(アメリカ国内において、内外銀行間のドル国際送金を処理するための電子資金決済システムの基幹を担っている)と異なり、SWIFTは、資金決済のシステムと言うより、国際送金に際しての支払指図情報を伝達する主要手段である。こうしたことから、銀行は、たいてい実際の資金の移動や支払と並行して、SWIFTを支払指図の伝達のために用いている。通常、送金に際しては、SWIFTと共に、FedwireやCHIPSのための送金情報が併用されており、CHIPS上流れている情報の7割がSWIFT上の流れから流入してきたものと推定されている。Unlike Fedwire (the primary domestic electronic funds transfer system in the United States available only to U.S. financial institutions) and CHIPS (the primary electronic funds transfer system in the United States for processing international U.S. dollar funds transfers made among international banks), SWIFT is the primary method for international funds transfer messages, rather than a financial settlement system. Hence, banks typically use the SWIFT for communicating payment instructions alongside the actual movement and settlement of funds. It should be noted that funds transfers offer involve a combination of SWIFT and Fedwire/CHIPS messages. In fact, an estimated 70 percent of the traffic on the CHIPS system originates from SWIFT message traffic.

MEMO: (1)AがFedwireを通じて自分の取引銀行であるAA銀行(仕向銀行)を通じて、受取人Bの銀行であるBB銀行(被仕向銀行)に送金という場合、連銀は、仕向銀行の口座から送金額を引落し、これを被仕向銀行の口座に入金しますが、「送金額を引き落とす」のは debit the account、「送金額を入金する」はcredit the account と形容します。また、仕向銀行は sending bankで、被仕向銀行は receiving bank です。(2)Fedwireは全米7,000以上の金融機関が加入しており、一日当たりの取扱高は50万件以上で、金額的には2兆ドルを超えるとされています(2005年)。CHIPSはドルの国際送金の9割を扱っているとされ、一日当たりの取扱い高は28万件以上で、金額的には1.4兆ドル以上とされています(2009年)。Fedwire加盟銀行は直接国外の銀行に指図を出したり、送金することが許されず、また、CHIPS加盟銀行も、相手が外国銀行である場合、アメリカ国内に拠点がある場合にのみ、やり取りが認められるという制約があるのに、SWIFT自体、アメリカの機関ではなく、元々このような制約がないこともあり、SWIFT経由の支払指図が関わる送金額は、一日当たり5兆ドル近いと言われています。


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»投資一族のブログ: マネー・ロンダリング入門 ~海外送金 - 2010年10月 6日 21:11

海外送金でマネーは動かない コルレス銀行を利用してどのように外貨送金が行われるかを見てみよう。あなたはやまと銀行の支店の窓口に行って、口 座にある1000...


Comments

ケアレスミスのようですが
Continuous Linked Settlement
の略は、CSLではなく、CLSだと思います
もう一点、財務省のHP
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokkin/tyousa/tyou078-00c.pdf
によりますと、「他通貨」ではなく「多通貨」になっていますが、どちらが正しいのでしょうか?
[返信]


ありがとうございます。訂正します。

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