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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2010年9月16日

Globish、1500単語でOK!

今、出ている「週刊東洋経済」の表紙がすごくて思わず買いました。

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非ネイティブの英語術

1500語だけで話せる!

年齢不問

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問題意識と言うか視点としては、いつぞや取り上げたELF vs ネイティブ英語に通ずるものがありますが、あの記事では、非ネイティブ・モデルの英語とでも言うべきものが固まっているところまでは行っておらず、結局、非ネイティブたちもやはり学習モデルとしてはネイティブモデルを捨て切れないでいるという結論でした。ところが、こちらの週刊誌は、これが非ネイティブ英語固有のモデルだと積極的に打ち出している、 Globish を取り上げています。

この Globish 、元IBM社員のNerriere という人が提唱している非ネイティブ・ベースの英語モデルで、使う単語は Nerriere が VOAの使っている語彙リストをヒントに自分なりにビジネス単語を加味したという1500単語を土台としており、その上で、英語ネイティブ特有のユーモアを意識した表現、比喩、省略形その他、英語ネイティブどうしでしか通じないような表現は御法度だとしています。また、話すときもゆっくりと、しかも、短めのセンテンスでというのが基本ルールです。

で、ノンネイティブの英語で、こういった Globish モデルにかなっているのが誰かと言えば、故ヤセル・アラファト氏なのだそうです。彼の英語がどういうものか、まずはこのインタビューを見てください。

わたしにはちょっとアクセントが強すぎて、正直、何を言っているかよくわかりません。実際、Youtubeの機能として付いている音声のテキスト化をしてくれる CC というボタンをクリックして出てくる字幕を読むとまるで見当ちがいで笑えます。そのぐらい「非標準的な」英語ということなのでしょう。加えて、決してゆっくりとしゃべってはおらず、センテンスもand...and でつなぎながらけっこう長めのものを繰り出しています。

(CCのボタンを使ってみたい方は、こちらからどうぞ )

アラファト氏の Globish はともあれ、根拠がはっりしないといった批判が専門家の中であるようではありますが、1500単語のリストはひとつのアイディアとしてなるほどと思わせるものがあります。このリスト、東洋経済の誌上で、一覧できるようになっており、これを見た読者は、「ああ、この単語なら知っている」と妙に安心し、自信が持てるようになるのかも知れません。

しかし、前回の記事でも書いたとおり、いわば結果の羅列である単語リストを暗記しても、おそらく Globish はものにできません。この1500単語を使ってコミュニケートできるようになるためには、出てくる単語を与えられたら、ぱっと短文を作れるぐらいにならないとものの役に立たないと考えられるからです。どの単語が自分の言いたいことを表しているのかをわかった上で選定し、かつ、その単語を使う上でのコロケーションに基づいて使うといった単語の選定・用法上の前提知識があってこそ初めてまともな短文を作れるわけですから、そう簡単ではありません。

例えば、このリストの中にある escape はたいていの人がその意味はわかるはずですが、She escaped from prison last year. とか、We went to Hokkaido to seek escape from the heat. といった短文がぱっと出てくるぐらいでないと、Globishであれ、普通の English であれ、実際には使えません。

してみると、非ネイティブたちがたったの1500語だけで話しているかのように書くのはいいとして、その1500語を使いこなし、これに基づいてコミュニケートすること自体並大抵のことではないことを今一度認識しておく必要があるのではないかと思います。

他面、この1500語リストは、普通にビジネスの場で英語を使うに際して知らなくてもいい単語がわかる点で、気が利いています。そうは言っても、このリストの単語の使い方を確かめるべく英和辞典を引けば、ひとつの単語についていくつも語義が出ているような場合など、いったいどれを基準にすればいいのだということになり、返って迷いが深まることにもなるでしょう。このあたり、Globish のリストの欠点と言われるのもよくわかります。

追記:英文ですが、Globishに対する辛辣な批判としてこういうものもあります。批判されている本の現物を持っていないので何とも言えませんが、この資料の批判を見ると、提唱者の Nerriere 氏、英語は話せても、文法の素養がちょっと怪しいようでもあります。

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Trackbacks

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»ひとこと言いたい: Globish についてひとこと - 2011年4月10日 22:04

東洋経済の特集本が売っていたので読んでみました。 応用編にあった文章がとても面白いです。英語をGlobishで翻訳してような感じです。 とても興味...


Comments

この「Globish」の動きに賛成。
膝を打った私は、早速、「読者の手紙」に投稿したところ、
同誌10月2日号に採用されました。(原稿)
「Globishを磨こう」
「グローバル化」が叫ばれて久しい日本。
その鍵の一つが言語の力であることは言を待ちません。

日本で極く普通の教育をうけ、商社にはいり、その後、長く中東・
アメリカをはじめ、世界を駆けてきた私を悩ましてきたのが、
この英語力(ことに話す、聞くという口頭英語)です。
他方、小学校から大学までの教育を日米(NY)両国で
受けた男女四人のわが子のバイリンガルぶり、バイカルチャー
ぶりを羨ましいとも思います。

その経験から、このグローバル化時代に生きるには、「ペラペラ信仰(劣等感)」
と「(TOEICなど)テストのスコア信仰」を止めることが、
非常に重要なことと結論づけております。
その観点からすれば、9月18日号「非ネイティブの英語術」は
まさに完璧な指針と言えます。
「Globish (Global English)こそ世界共通語」という主張に
大賛成です。

ただし、それは「発音」「文法」などに無頓着でよい
ということでは決してありません。
ここは「楽をして」と手抜きをしてはいけません。

我々日本人同士でも「きちんとした日本語」を話す相手に魅力を
感じるわけですから、同様、Globishをさらにきちんと磨くよう、
不断の心がけと実践が必要です。

その「魅力」は、相手に対するアピール力、つまり、
ナイ教授(ハーバード大)の説く「ソフト・パワー」に直結します。

海外でビジネスをしていますので、毎日が英語のコミュニケーションになってしまいました。
それで、自分の体験として、会話では単語が1500語もあれば充分でしょうが、言い回しがちゃんとできなければ絶対にアウトです。
昔、850語でできる英会話ってありましたけど、挨拶を"Respect of sign"とか表現していて、苦しいなーって思ったこともありました。それで、言われてこれが挨拶だって分かったら、その人はボキャブラリーを気にしないぐらい英語通だと思います。

[返信]

たしかおっしゃる800単語とかいうのは、第二次大戦当時、連合軍側にかけつけたドイツ占領下の各国から来たパイロットをおおぜい、一気に訓練するためだったはずで、したがって、離陸、上昇、下降、左、右などがわかればよかったわけで、あいさつなどは二の次ということだったのでしょう。

つまるところは2000単語というあたりが妥当な数字なのではないでしょうか。

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