2010年10月28日
話し言葉での because
会話例作りを手伝っていて気になるのが、何か言ってから理由を説明するにあたり、いきなり、Because で新たなセンテンスを始める方がおおぜいいること。例えば、書き言葉なら「間接煙による害は喫煙それ自体より害が大きい。と言うのも、(タバコの先から立ち上る)副流煙の方が(喫煙者本人が吸い込む)主流煙より有害物質を多く含むからだ」と言いたい場合、
Secondhand smoke is more dangerous than smoking itself because sidestream smoke contains more toxic chemicals than mainstream smoke.
というふうに、because で始まる理由を説明する副詞節はうしろに置かれます。
しかし、話し言葉では、こんなに長いセンテンスを一気にしゃべるようなことはありません。
しゃべるときは、意味上のまとまりがあるものをひと区切りにしながら話すわけで、しかも4から5単語で区切られるのが普通とされています。
ですから、普通に話す場合は、
Secondhand smoke is more dangerous than smoking itself. (8単語)と言ってから、新たなセンテンスを起こす感じで理由を説明します。
ここで、理由づけの部分をどう始めるかが問題となります。
聞いていると、普通に英語ができる人は、たいていの場合、書き言葉が染み付いているせいか、ここで、まるで前段の続きかのように、
Because sidestream smoke contains...
とやります。しかし、このセンテンスの冒頭に Because を持ってくるやり方は、「Because なんたらかんたら、こうだ」式のセンテンスのときのやり方で、どうしてもこの方式を取るなら、後段に理由づけの対象となっているものを持ってくる必要があります。
つまり、
Because sidestream smoke contains more toxic chemicals than mainstream smoke, secondhand smoke is more dangerous than smoking itself.
という形を予想させるので、(前段を言ってからどの程度時間が経っているかにもよりますが、普通は)いきなりBecauseで始めるのは違和感があるということです。それより重要な問題として、becauseは通常、相手にとり未知の理由を持ち出すときのルールに従って、センテンスの冒頭ではなく、後半に置くという別の「掟」に触れることにもなるので、どうもまずいのです(この問題についてはBecauseとSinceとAsを使いわける:意外と深い使いわけのルールをどうぞ)
というわけで、こういった場合に理由を挙げるなら、ポピュラーなのは Because ではなく、The reason is (that) のたぐいですから、ひとまず
The reason is that sidestream smoke contains more toxic chemicals than mainstream smoke.
と言えます。また、ここでどうしても because の方が「なじみがある」「安心だ」ということなら、I'm saying this because...というのもあります。
なんであれ、ここで「ひとまず」と言ったのは、実際上は、上で説明した「意味上のひとまとまり」が単位となるため、こんなに長い「しゃべり」はないからです。
どうなるかと言うと、
The reason is that sidestream smoke is more harmful. You see, it contains more toxic chemicals than mainstream smoke.
と二つに分けるのが一般的です。要するに間に、You see といった流れをよくする小道具をはさみながら、小分けにしながらしゃべるのが英会話の特徴と言えます。
英語のできる人は大体が学校教育のおかげで(せいで?)、書き言葉式の英語を組み立てるので、不自然に長く、生硬な英語を組み立てがちとなりますが、普通に英語を話す人たちは、前置詞句に代表されるような意味上のひと区切り (tonic unit) を単位に話しているという事実に着目し、なるべく4から5単語ずつぐらいに区切った上、間に流れをよくする感嘆詞やディスコース・マーカーを織り交ぜていくと、「それらしい」英語ができるものです。
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