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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2010年10月31日

間投詞としての like について

読者の方から、イギリスの女優、Emma Thompsonが若者たちの使う"like" を批判しているBBCの記事のことを取り上げたらどうだろうというご提案をいただきました。ありがとうございます。

function word としての like には、引用のツールとして、She was like, 'you aren't using that word correctly' and I was like, 'yes I am'. というふうに使ったり、あるいは、比喩の際に、"I, like, died of embarrassment when you told me to stop using slang." というふうに使うパターンもありますが、Emma Thompson さんがお嫌いなのは、Um, Ah の代わりに使われる like 。

しかし、記事の中で専門家が解説しているとおり、仲間意識を高めるための符牒ですから、そんなことに目くじらを立ててもしょうがないでしょうと感じました。

一方、これがスラングと言うのか,少なくとも標準語でないのもたしかなので、耳だけを頼りに英語を覚えるような人にとっては要注意ものです。例えば、英語のスピーキングテストで、こんなもの口にしたら、appropriate use of vocabulary という見地から、試験委員の心証を悪くするのは請け合いです。

実際、1993年に出ている The Columbia Guide to Standard American Englishは、It was, like, three o'clock before we, like, got to the station. という例を挙げた上で、like を接続詞として使う用法は定着しているという説明に続けて、こう説いています。

The use of like as intensifier or interjection, however, is Casual at best and Substandard in its heaviest, most adolescent uses. しかし、強めるための間投詞ないし感嘆詞としての用法は、良く言っても「インフォーマル」で、乱発されるような若者言葉としての用法となると、「標準語としては一切認められない」レベルになる。

こういったものは、われわれ日本人としては、自分からは使わないけれど、一応知っておいた方がいいたぐいの英語と言えるのではないでしょうか。例えば、like の位置づけを知っておくことで、TVドラマの中でこれを頻繁に使う若者が登場するような場合に、仲間意識を強調する若者として描かれていることを知ることができ、逆に親の前で使わない姿を観て、「きちんとした親」として描かれていることを知ることができます。そのためにも、英語の字幕に切り換えて観るよう心がける必要がありそうです。

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Comments

こんにちは。
日向先生の「話の頭に振るモジュール」を愛用させて頂いています。

初めてアメリカに住み始めて半年を過ごして見て、日本で習ったことのない言葉の使い方をいくつも耳にしては感心したり驚いたりしていましたが、「Like」の多用もその一つでした。

こちらの大学生が、He said bla bla bla, and I was, like, "what are you talking about?" という感じで使っており、誰かの発言の前に挟んでいるのをよく聞きました。日本語の若者言葉でいう、特に意味がない「なんか」「みたいな」のようなものかと解釈していましたが、「仲間意識を高めるための符牒」というのはおもしろいですね!
言葉の使い方で性格描写になりうるというのは興味深いです。そういう目で見てみると色々な行間を読めるようになるのでしょうね。おもしろい記事とありがとうございました。

[返信]

記事が役立って、うれしいことです。この手の話をのちのち『知られざる英会話のスキル20』にまとめました。アマゾンの「なか見!検索」で一部をご覧になれます。

>TVドラマの中でこれを頻繁に使う若者が登場するような場合に、(後略)

この部分を拝読して、ドラマでこうした場面を見たとしても、ここまで気づくことは自分にはなかなかできないだろうなと思いました(実際に何かのドラマにあった例でしょうか)。
こうした状況や背景まで理解できるようになるためには、単に意味だけでなく、おっしゃるような「位置づけ」に敏感にならなくてはいけないのでしょうね。参考になりました。どうもありがとうございました。

なお、自分のブログでも、以前このlikeについて触れたことがあります。トラックバックで、とも思いましたが、よろしければここに併記させてください。まさに言葉の表層についてなぞっただけの恥ずかしい内容ですが・・・。
http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2009-07-29

[返信]

字幕を英語にして見ていることもあり、けっこうlikeが出てくるのに気づきます。ただ、いずれの場合も若者が okay, it's like, you know 的なノリで使うケースです。逆に言うと、いいおとなが使うケースはまずありません。そういうケースがあるとすれば性格描写のためということになるのではないでしょうか。

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