2011年10月27日
TITLE:会話例作りの実際(2011年度第5弾)
即戦力がつくビジネス英会話(おかげさまで5万部突破しました!)をテキストにしているクラスでの会話例をご紹介します。課題はLessons 35, 36 のキーフレーズを二つ以上組み入れた会話を作るというもので、ちょっと着想と構成が妙ではありますが、ともかく7つも重要フレーズを使いこなしており、評価はAプラスです。
以下の会話例では、キーフレーズは下線で示してあります。(作ってくれたのは、男子学生2名、女子学生1名のグループで、うち二人が帰国生です)
2011年10月26日
TITLE:前置詞と句動詞の副詞を見分ける
ディクテーションに際して、ビートが副詞に落ちることはあっても前置詞の所にビートが来ることはなく、したがって、前置詞はほとんど聞こえないと説明する関係で、受講生から、じゃあ、前置詞と句動詞の副詞 (come by = acquire でのbyのような不変化詞のこと)はどう見分けるんだと聞かれます。たしかに発音の仕方が違い、したがってリスニングにおいて大きな違いとなるわけで、区別の実益がある問題ですので、簡単にまとめておきます。
2011年10月 7日
TITLE:簡単な英語の発音ガイド
大原則:標準的な英語を話すとき、そこでのひとまとまりの「しゃべり」には一定間隔でビートがきざまれますが、三つのルールがあります:第一に、コンテンツを担う「主たる単語」の所でビートを打つ、第二に、そうでない「従たる単語」の部分では力を抜く、第三に、ビートとビートとの間の時間的間隔は常に一定(従って単語が多いと、詰めて発音しないと音が外れてしまいます)。
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2011年6月23日
TITLE:会話例作りの実際(2011年度第4弾)
「即戦力がつくビジネス英会話」に出て来るフレーズを使っての会話例作り、今回のテーマは「相談と助言」で、この本で言うと Lesson 17 に当たります。
今回の「最優秀作品」の制作者は、法学部 3年の T. K. 君、Y. T. さん、同4年の S. H. さん、R. N. さんです。
通用力の高い言い回しを連ねて行くだけで、リアルな会話例ができるわけで、作った学生たちの英語力もさることながら、相手・状況・目的に応じて「どういう言い回しが使われているのか」を確かめてから、「ここではこれが使えるんじゃないか」と仮説を立て、その上で、会話例に組み込み、「座りのよさ」を見るというアプローチ (observe → hypothesize → experiment)の実効性も感じられることでしょう。
下線部は決まった言い回しであることを示しています。
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2011年6月 5日
TITLE:会話例作りの実際(2011年度第3弾)
「即戦力がつくビジネス英会話」に出て来るフレーズを使っての会話例作り、今回のテーマはアポ取りです。
課題は教科書に出て来る言い回しを中心に、電話でのアポ取りから相手の会社に着いてからのやり取りを想定しての会話例で、今回の「優秀作品」の制作者は、法学部3年の K.M.さんと、いずれも法学部4年の M.K., K.M, H.A.さんです。たしかひとり帰国生が入っています。
参考まで配布した「受付から応接室までのやり取り」を末尾でご紹介します。
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2011年5月24日
TITLE:会話例作りの実際(2011年度第2弾)
ビジネス英会話の授業で学生が作った会話例をご紹介します。今回のトピックは、『即戦力がつくビジネス英会話』の Lesson 7 &8(出退勤時のやり取り) で、課題は、この二つのレッスンの Focus の項に出て来る言い回しと末尾の補足資料を使って、会話例を作ることです。
作成したチームのメンバーは、政治学科3年のY.T.さん、T.K君、S.I.さん、そして政治学科4年のR.N.さん。帰国生が混じっているおかげで、そのままで十分通用する水準の高い会話例になっています。(当然、本人たちの了解を得ての転載です)
下線部は教科書ないし用例集からのフレーズであり、したがって加点材料となるものを示します。基本的に二つ以上盛り込めれば B、三つ以上か構成がよく、臨場感があればAです。
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2011年2月 9日
TITLE:ビジネス英会話における言語運用能力
英語でコミュニケートしようという場合、英単語や文法といった言語知識と並んで大事なのが運用能力ですが、煎じ詰めればその中身は、(1) 会話の中で発される言葉相互の関係がどうなっているかを示す cohesion と、(2) コミュニケーションの目的を果たせる程度に全体として筋道が通っているかを指す coherence です。
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2011年2月 8日
TITLE:ビジネス英会話における助動詞の役回り
コミュニケーション能力の土台部分に当たる「言語知識」の部分につき、ビジネス英語の分野では具体的に何が問題になるのかを考えてみました。ネタと言うか,根拠の多くは、Michael Handfordの The Language of Business Meetings (CUP) ですが、そのあらすじは、Invisible to Usという論文で見ることができます。
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2010年10月31日
TITLE:間投詞としての like について
読者の方から、イギリスの女優、Emma Thompsonが若者たちの使う"like" を批判しているBBCの記事のことを取り上げたらどうだろうというご提案をいただきました。ありがとうございます。
2010年10月29日
TITLE:(続)話し言葉でのbecause
理由を挙げるツールとして because 一辺倒の人は、こんなセンテンスを作ったりします。
Because it's raining, you'd better take a taxi.
You'd better take a taxi because it's raining.
しかし、その場にいればわかる明々白々たる事実を理由として挙げる場合、あるいはわかっていてしかるべき事情がある場合は、理由を挙げるに際して because を使ったりせず、as か so を使うのが普通です。
2010年10月28日
TITLE:話し言葉での because
会話例作りを手伝っていて気になるのが、何か言ってから理由を説明するにあたり、いきなり、Because で新たなセンテンスを始める方がおおぜいいること。例えば、書き言葉なら「間接煙による害は喫煙それ自体より害が大きい。と言うのも、(タバコの先から立ち上る)副流煙の方が(喫煙者本人が吸い込む)主流煙より有害物質を多く含むからだ」と言いたい場合、
Secondhand smoke is more dangerous than smoking itself because sidestream smoke contains more toxic chemicals than mainstream smoke.
というふうに、because で始まる理由を説明する副詞節はうしろに置かれます。
しかし、話し言葉では、こんなに長いセンテンスを一気にしゃべるようなことはありません。
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2010年10月12日
TITLE:「深く聞く」ということ
今年の6月にディクテーションのメリットという記事を書きましたが、今読んでいる竹内理先生の『より良い外国語学習法を求めて』(松柏社)に、格好の補足材料があったので書き加えることにしました。

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2010年10月10日
TITLE:In my opinion
中級以上の学習者であれば、たいていの方は、in my opinion という言い方を知ってらっしゃり、たまには使うことでしょう。
しかし、これが意外と響きとしてはきつめで、人によっては、あるいは状況によっては、言い換えた方がいいということを知っている方は少ないのではないでしょうか。
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2010年6月18日
TITLE:話すのに必要な単語数
英会話をこなすのにどの程度の単語数を知っている必要があるかについては、ワードファミリーで2,000単語というのが相場です。このワードファミリーというのは動詞の活用形つまり語形変化や派生形をひとまとめにしたもので、speakなら、speaks, speaking, speech などをひとくくりにしたものですから、辞書の見出し語となる単語か否かを基本に勘定しなおすと、3,000強といったところです。
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2010年6月 8日
TITLE:英語発音コースのご案内
うれしいことに、小著、『必修208パターンを理屈で覚える!「ビジネス英語力強化プログラム 』が英語発音コースの指定教材に選ばれました。(この本、12時間分の講義映像入りDVDが付いており、予習・復習に便利です)
教室の場所は港区北青山(地下鉄銀座線外苑駅そば)で、毎週1回、木曜日午後7時からの90分授業。料金は初回のみお試し価格3,000円で、あとは毎回5,000円(但し12回分一括全納)。コースの詳細はこちらです。また、これまでの参加者の感想もこちらで公開されています。
一番大事なのが先生で、高島まきさん。どういう方かはこちらにプロフィールがあります。She's got class and style. などと形容できるような人はまわりにそうはいませんが、彼女は間違いなくそのひとり。(現にワイングラスは普通にボウル部分を持ってお飲みになるので、安心して一緒に食事ができます)上流階級を想起させる品格だとか端然たる立ち居振る舞いなど教師としての資質と関係ないと思われるかも知れません。しかし、そうではないのです。第二言語習得論の世界では、affective factors (情意的要因)が大きな役割を果たしていることがわかっているわけで、訳のわからん食い詰め外人に習うのと、高島さんのような人に習うのとでは効果に違いがあるに決まっています。普通の人なら、この素敵な人と同じように英語を発音したいと一段と力が入るからです。
ところで何よりも大事な、高島まきさん、ご本人の英語の発音ですが、申し分のないレベル、いや、知っている日本人の中で最高レベルです。何しろ、みずから発音オタクと称しているぐらいで、実に正確で、しかも音楽の学位を持っているだけあって、きれいです。教育のあるイギリス人の発音を指して、received pronunciation と言いますが、まさにそれです。一時期、世界的音楽家のスポークスパースンを務めていたのも道理でとわかります。
教材にするという連絡を受けたところで、どんな感じでレッスンを進めるのですかと尋ねたところ、クラスサイズは10人を上限とし、平均6人ぐらいで、内容は、前半が「口慣らし」で後半が教材のセンテンスを実際に声にに出してもらって、「それは4拍ではなく、タタタ・ターンの2拍」ですと矯正していくスタイル。「口慣らし」というのが気になって、「それ、何ですか」と尋ねたところ、「破裂する音はもっと大げさにとか、エイやオウは閉じる音」と個別の音を出すときにクセをしつこくチェックしながら、言うスピードも速めていき、音の身体知化を図る練習とのことでした。インタビューついでに、他のコーチとの違いは何かとうかがったら、「発音もイントネーションも、生徒がやってることの再現ができることじゃないか」とのこと。つまり、「あなたが言ってるのはこう、でもほんとはこう」と両方やってみせ、コントラストを浮き彫りにしてあげると、「ああ、そうか」と違いに気づき、その後の習得ピッチが上がって行くそうです。
というわけで、このコース、お勧めします。英語を勉強しているかたは単語やセンテンスの字面にばかり目が行ってしまい、それが音として、また、個別の音がつながるときにどうなるかまで気をまわす余裕がないようですが、話し言葉として通じるか通じないかはまさにこの一点にかかっていますから、一度は集中的に練習しておく価値があります。加えて、音をどう出し、どうつなげ、また、どこにアクセントを置くかがわかってくれば、リスニングも一気に楽になりますので、一挙両得でもあります。
2010年6月 6日
TITLE:(下)「話す」とは伝達することなのか
ここでコミュニケーションとは何ぞやを確認しておくと、John Gumperzという高名な研究者はこうだと言っています。(Gumperz, J. 1982. Discourse Strategies. Cambridge: Cambrige University Press)
a social activity requiring the coordinated efforts of two or more individuals 社会的な行為であって、2名以上の者が互いに協調を図ることを要するものであり
Mere talk...does not by itself constitute communication. 単に話すがごときは、それだけではコミュニケーションにならない
また、Canale という、これまたコミュニカティブな言語運用能力の研究で有名な研究者は、コミュニケーションとされるものには以下の7つの要素があるとしています。(Canale, M. 1983. 'From communicative competence to communicative language pedagogy'. In Richards, J.C. & Schmidt, R.W. (Eds.). Language and Communication. Longman.)
[1] the continuous evaluation and negotiation of meaning on the part of the participants [2] ... social interaction ... [3] a high degree of unpredictability and creativity in form and message ... [4] clues as to correct interpretations of utterances ... [5] a purpose ... [6] authentic language and [7] success being judged on the basis of actual outcomes [1] 当事者が間断なく、意味合いについての評価とすりあわせを行っている [2] 社会的な営みとしてのインターラクションである [3] 言語形式ならびに授受される内容において予測可能性が非常に低い一方、高い創造性が認められる [4] 発言を正しく理解するための手がかりが与えられる [5] 一定の目的がある [6] 通りのいい言葉が使われる [7] 実際の結果に即してコミュニケーションの成否が決まる
[ちなみにTHE TOEIC TEST AND COMMUNICATIVE COMPETENCE: Do Test Score Gains Correlate With Increased Competence? a preliminary studyという論文は、TOEICでは "negotiation of meaning" が行われないことを挙げてTOEICを批判しています]
この二つの定義からわかるのは、「話す」というのは相手のあることであり、単なる言語の使用ではなく、言語の「社会的」使用という視点が不可欠だということではないでしょうか。
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2010年6月 5日
TITLE:(上)「話す」とは伝達することなのか?
文科省は、「英語が使える日本人」育成のための構想を打ち出すに際して、「子ども達が21世紀を生き抜くためには、国際的共通語となっている『英語』のコミュニケーション能力を身に付けることが必要」だからと説いています。
そこで,今度は、何を指して「コミュニケーション能力」と言っているのかなと思い、
"コミュニケーション能力とは" 英語 site:mext.go.jp
と入力して調べていると、まず、
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2010年5月25日
TITLE:オーラル・コミュニケーションというイリュージョン
「オーラル・コミュニケーション」、大辞泉(小学館)を引くと,「高等学校の英語科目。聞く・話すなど「使える英語」をめざして平成6年(1994)度から導入された、とあります。もう十数年やっている計算ですが、その割には,「使える英語」をものにした人が増えたとは聞きません。
で、いったい授業で何をやっているかと調べてみると、市川研著「高等学校英語オーラル・コミュニケーションの実態調査」という論文がありました。これを見ると,授業内容のベスト3は、リスニング、グループワーク、対話練習で、文中引用されている別の資料によると、スピーキング指導の7割がパターンプラクティスだとのこと。パターンプラクティスというのは、交互に、I like fishing. He likes singing. といった入れ替え練習を学生にさせるもので、自分の言いたいことを状況にそくした言い方で伝えるというコミュニケーションの本質からかけ離れています。
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2010年5月20日
TITLE:AERA English 6月号:話すために必要なのは何か
店頭で見かけた、AERA English の6月号。タイトルの上で、大きく「TOEICのスコアは高いのに、話せないんですか」というコピーが躍っています。カバーも、レオナルド・ディカプリオの胸あたりに、左から右へと斜めに、大きく「英会話スキルアップ講座」とあります。
来月、「基礎的な単語は知っており、英文法も大体わかっているのに話せない人のために」と銘打って知られざる(と言っても話せる人にとっては当たり前の)英会話のメカニズムを知り、練習できる本を出すだけに、商売敵を研究しておかねばと、思わず買いました。
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2010年2月24日
TITLE:今晩おひま?:フレームとスキーマの話
会話分析 (conversation analysis) と言うと、「英語学」の中の一分野みたいな感じがしますが、実は様々な分野の研究者が相互乗り入れしており、中でも、社会学や人類学の専門家が目立ちます。もちろん、英語プロパーの研究者も会話に関心は持ったりするものの,この人たちは、会話を行うために人は英語をどう使っているかに焦点を合わせるのに対して、他分野の人たちは、英語がどう使われているかよりも、そもそも人間社会の営みとしての会話はどういうふうに行われているのかに関心を向けています。
こうして会話を社会現象ないし人の社会的行動の一環として捉えると、普通に英語を勉強していたのではわからない、英会話固有のパターンというものがあることがわかってきます。その中でも、英語を話せるようになりたいと願う人たちにとって有用なのがフレームとスキーマというものではないかと思われますので、ざっとご紹介します。
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2010年2月22日
TITLE:小沢一郎に学ぶスモールトークの意味、ありがたみ
評論で知られる慶大教授の福田和也氏が『文藝春秋』の3月号に、「小沢一郎のちいさな『器量』」と題した一文を載せていましたが、その中の一節が特別、印象に残りました。
自分は一度だけ小沢幹事長にインタビューしたことがあるとした上で、こう述べています。
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2010年2月18日
TITLE:話し言葉のコンテクスト
これまで繰り返し、文法や単語だけわかっていても、英語が話せるようにはならないと強調してきましたけれど、そのあたりを左右する最大の要因はコンテクストに対する認識ではないかと思っています。実際、みなさん、常識人だからこそ、「これでいいのかな、あの言い方でよかったのかな」という不安、つまりは「コンテクストに添っていたのかなあ」という不安が頭を過り、その場その場は切り抜けることができても、いつまでも自信を持てないのではないでしょうか。
こういったコンテクストとは何かと言えば、言葉がコミュニケーションの用に供される場面での、「誰が、誰に対して、いつ、どこで、何のために」といった非言語要素の総体ですが、それが言葉でのやり取りを理解する上でどれほど大きな要因かがわかる格好の例に触れました。
Michael McCarthy の Discourse Analysis for Language Teachers (Cambridge University Press) で取り上げている例で、ある漫才コンビの一方が、「おい、きょうの話[演し物」、みなさんに説明しなよ」と言われたところで、こう言います。[便宜上、番号をこちらで振りました]
Have we got a show for you tonight folks! [1] Have we got a show for you! [2](相方に向って)Have we got a show for them? [3]
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2010年2月15日
TITLE:会話を始める儀式
ちょっと古い資料(1998)ですが、全国語学教育学会 (JALT) という専門家団体のウェブサイトに掲載されていた論文において、高校の英語の教科書がネイティブの目で吟味されていました。
その中で一つ、会話の運用能力 (discourse competence) という見地から、やり玉にあがっていたのが、以下の会話です。Active English という教科書に掲載されている会話例だそうです。あとの話を進めやすくするため、文末に番号をこちらで振っておきます。
日本からのみやげ物がどうのと言っていますから、察するにホームステイ先に到着した日本人学生がホストファミリーの誰かと交わす会話ということなのでしょう。
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2010年2月14日
TITLE:会話を終える儀式
世の中、何とかのスコアが900点以上だけれど、さっぱり話せないという人がいくらでもいます。日頃接する学生からも、就職のために受験し、スコアは満点だけれど、インターン先の外国人と話ができない、かみあわない、どうしたらいいでしょうと相談を受けます。一方で、ネイティブたちからは、どうして日本人はひとしきり話したあとの、会話の終え方が乱暴なんだという嘆きを聞かされます。特に電話だとすごいことになるようで、にわかに信じられませんが、 That's all, good-bye. 的なぶっきらぼうな終わり方をする人がけっこういるという話を聞きます。
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2010年2月12日
TITLE:ブロークンで何が悪い!
前回のトヨタの社長の英語について、ブロークンでも気持ちが通じればいいじゃないと思われた方も多いと思います。事実、漏れ聞くところによると、「英語がブロークンかどうかと言うのは枝葉末節だ」「アメリカのメディアは日本人が一生懸命、英語で答えようとしたという姿勢つまり誠意をもっと評価すべきだ」という声が三河の地では多いようです。
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2010年2月 9日
TITLE:怪しげな英語と断じられたトヨタの社長
トヨタの謝罪会見を報じたニューヨークタイムズ配信の記事に、こういうくだりがあります。
He added in broken English: “The people who drive Toyota, who cares about Toyota, I'm a little bit worried while they are driving, they feel little bit cautious. But believe me, Toyota's car is safety but we will try to increase our product better.”
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2010年2月 5日
TITLE:ネイティブ教師の言い分、学生の言い分:スキーマの違いによる行き違い
大学で英語の授業を担当している先生たちはネイティブであれ、ノンネイティブであれ、学生たちが質問にすぐ答えてくれるといった積極的な授業参加を期待しているのに、無反応であることが多く、教師を嘆かせます。他面、学生には学生の言い分があるわけで、たいした問題ではないと受け止められています。
この問題は、学生たちが日本語のというか、自分たちの日本語で話しているときの流儀をそのまま英語の世界に持ち込んでいるのに、教師たちがそのことを見落として、あれこれとぼやいているように思えます。
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2010年2月 3日
TITLE:大学生の英会話力
以下はオーストラリア人の大学教授による日本人大学生の会話の運び方に対する感想で、文法知識は自分のオーストラリア人学生のレベルを超えているというのに、会話能力に問題があり、つきあうのがしんどかったという内容のものです。まずはざっとお読みください。[出所は、Scott Thornuburyの How to Teach Speaking (Pearson Education Ltd) です]
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2010年2月 2日
TITLE:話し言葉の英文法2:現在進行形
英語を話す人たちは、意識しているかは別として、一定のスキーマ、つまりものごとの全体ならびに構成要素相互間の関係を理解するための枠組みというのが頭にあり、それに即して話をしているわけですが、私の理解では、「英語を話す」に当たってのスキーマは、具体的には次の5つの要素から成っています。
(1)待ったなしのリアルタイムで進む
(2)インターラクティブな共同作業である
(3)相手が誰か、状況はどうかを意識する必要がある
(4)当たり前とされている所定の手順・流れがある
(5)会話の流れ全体の中で自分の発言を位置づける
この中で、(2)の「インターラクティブな共同作業である」がゆえに、話し言葉特有の英文法が書き言葉の英文法に取って代わる例があります。そのひとつが、現在進行形の使い方です。
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2010年2月 1日
TITLE:話し言葉の英文法1:過去進行形
英会話を話すための見取り図の第二章Eの項目は、
「 文法が書き言葉と違う」
となっていますが、この部分に厚みをつけるため、これまで溜めてきた資料を読み返しています。そうした中で、おもしろい所、ためになる話を拾いながらメモ代わりにブログネタにしていくことにしました。第1回は、話し言葉独特の過去形と過去進行形の使い分けです。
過去形を使うべきか、それとも過去進行形かを選ぶミニクイズを2問ほど。
1)Tom が近所の人に Brian から聞いた話をしています。
Tom: Brian [(a) was saying (b) said] the village hall nearly caught fire last night. (ブライアンが言うには、ゆうべ、役場が危うく火事になるところだったんだって)
2)Dick が娘から聞いた話をニュースを伝えようとしています。
Dick: Caroline [(a) was saying (b) said] that five mortar bombs have been discovered at Heathrow Airport. (Caroline が言うには、ヒースロー空港で迫撃砲弾が五つ見つかったんだそうだ)
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2010年1月31日
TITLE:ペラペラになるためのスキル
以前「ペラペラとは何か」という記事で、ひとまず「妙な間を置かずに長めのしゃべりをきちんと整理しながら展開していけるスキル」がペラペラの正体だと申しあげましたが、今一度、「英語を話すというのはどういうことか」という枠組みに即してもっと、具体的に何をやればいいのかを考えてみました。
結論から言えば、「ペラペラ」という評価を得るためには、スピードが問題なのではなく、妙なところで話が途切れ、黙ってしまわないようにする、つまり余計な間を置かずに話し続けることがポイントとなります。
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2010年1月29日
TITLE:二重唱を好む日本語、独唱が基本の英語
英語を話す際に日本語の流儀をそのまま持ち込んでしまうという問題を調べているうちに、研究者の間で、日本語会話の特徴として、sync talk つまり、人が話しているときに、それと並行して、いわば二重唱のような形で話すパターンが取りざたされていることを知りました。そう言えば、にぎやかなオバサンたちが話しているときなど、「きのう、京都に言って来てね」と誰かが言えば、「あ、京都、いいじゃない。今の時期はやっぱりなんとかかんとか」といったことを相手が話しているのにおかまいなく、いわば「かぶせ」て話をしています。しかし、不思議と同時に複数の人が話しているのに会話が成立しており、しかも和気あいあいといい感じだったりします。
こうした sync talk に興味を持って、あれこれ調べているうちに、Reiko Hayashi という研究者による Simultaneous talk—from the perspective of floor management of English and Japanese speakers という論文に行き当たりました。アカデミック・イングリッシュのお手本のような、きっちりした英語で書かれています。ただ The varied emic conceptions of social processes are realized in the etic interactional structures interactants create. といった難解な表現が随所にあり、読みづらいこと,読みづらいこと。そうは言っても、英会話の姿を浮き彫りにする実証研究とあって、大変、勉強になったので、要点をご紹介します。
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2010年1月28日
TITLE:英語を話すための見取り図
春休みの課題である英会話本の骨組みができたので、ご紹介します。できたものを眺め直すと、本のタイトルは、
ディスコース・マネジメント:英語を話す人の頭の中
といったものにしたくなります。
なぜこんなものが重要かと言うと、英語を話す人たちどうしの間ではここにご紹介する段取りないし流れが共通の理解になっており、したがって、これを知らないで会話をするとなんだかぎごちなくなってしまい、思うように話せなくなってしまうからです。つまり、ターンテイキングなどのルールを知っていれば、話し手としての順番をいつ取りに行けばにつき見当もつくでしょうということです。
いつも感じるのですが、わが国で英語を教える人々は英語を学ぶことは英語文化を学ぶことでもあると口では言いながら、実際には、英語を使って暮らしている人々の社会でのルールがどのような形で会話に表れるのかを考えず、ひたすら文法と単語を、つまりは言語知識の側面ばかり見ながら教えています。その結果、何の疑問も持たずに日本語の流儀を英語で話すときにまで持ち込み、相手が何か言うつど、「ええ、ええ、そうそう」よろしく、uh-huh, I see を連発することにもなります。また、会議などでも、英語での「ひとまとまり」の話がどういうものかがわからず、切りのいい所で発言しようと思って待っているのに、結局、どこが切れ目かわからず、会議が終わってしまいます。
一方、学習上も、仕入れて来た言い回しにつき、「ああ、これはこういった局面で使うマーカーなんだ」とわかった上で整理して行けば、次に出会った際にも、実際に使える場面に出会ったときにも必ず役立ちます。脳内倉庫は整理されている方が検索も速いに決まっているからです。
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2010年1月16日
TITLE:会話フレーズ集の限界
春休みの間に会話例を入れながら「英語を話すというのはどういうことか」を説明する本を書こうと思っており、「同業他社」ないし「競争相手」の様子を調べるため、気になる本を買ったり、あるいは本屋さんの店頭で目次をざっと見たりしています。
この手法は、以前、『即戦力がつくビジネス英会話』と言うより、NHKのテキストを書くときに使った手法で、既存のものを調べて、何が欠けているのかを調べ、その「ニッチ」を埋めることで学習者のニーズに応え、あるいは、潜在的な「穴」を埋めようというものです。
『即戦力がつくビジネス英会話』の原稿を書く準備段階で、こうした手法を使っての下調べでわかったのは、(少なくとも当時は)出回っていたビジネス会話本の多くが、「本当にそんな言い方をするかなあ、聞かないなあ」と感じさせるということでした。臨場感に欠けており、従って、現場での実用性にも疑問を抱かせる本が多かったのです。そこで、この本を書く際は、自分の経験を思い起こすことに徹し、聞いたことや見たことのない言い回しは一切使わないという姿勢で書きました。(ユーザーの方々もわかってくださり、おかげさまでこの本はその後、26刷まで行っています)
この手法を活かして、英語を話せるようになりたいと勉強している人たちの効率アップに役立ちたいと思っているわけですが、こういった視点で既存の英会話本をひととおり眺めて気づくのは、どれも「こういうときは、こう言う」的な表現集の域を出ていないことです。
もちろん、こういったフレーズを知らないことには話にならないというのが普通で、その意味で、フレーズを知り、覚えることは大事です。ただ、この種の本にはフレーズを有効活用するための前提条件が説明されていません。「英語を話すというのがどういうことか」を理解する前に表現だけ覚えても実際には使えるようにならない訳で、その意味でただのフレーズ集にだけ頼っていては限界があります。
書き手はネイティブであれ、日本人であれ、普通に英語を話せるわけで、だからこそ、そういった本を書いているのでしょうが、そういった人たちは、当然、感覚的に「英語を話すというのがどういうことか」を身を以て知っているのに対して、読み手の方はそれがないのが普通でしょう。なにしろ、英語を普通に話すという経験をしていないがゆえに、普通はどう言うんだろうと思って買うわけですから。しかし、問題は、この種の本に載っている無数の言い回しは、「英語を話すというのがどういうことか」がわかっていないと役に立たない性質のものだという点です。
2010年1月14日
TITLE:「会話力を含めての英語教育」
13日付けの朝日新聞の朝刊で、往年のベストセラー、『ジャパン・アズ・ナンバーワン』の著者、エズラ・ボーゲルが、インタビューに答えている中で、わが国の大学における英語教育につき、「会話力を含めた英語教育が足りないからだ」とずばり指摘していました。やっぱり見ている人は見ているんだというのが感想。
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2010年1月13日
TITLE:(下)英語の相づち
3)感心したり、共感を示すための相づち
このタイプの相づちとしてよく聞くのは以下のものです。
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2010年1月12日
TITLE:(上)英語の相づち
会話は話し手と聞き手の共同作業ですが、二人で形のあるものを作っているわけではありませんから、言葉ないし音でしか共同作業としての会話が続いていることを確かめる術がありません。そこで、聞き手は「ちゃんとここにいて、共同作業に参加していますよ」と伝えるために相づちを打ちます。
話し手が自分の気持ちや考えを伝えるために使っている「メインのチャネル」に対して、こうした相づちは飽くまで補完的に「裏のチャネル」を通じて聞き手からのフィードバックを伝えているという意味で、英語では back channel (以下「相づち」)と呼ばれています。
この種の相づちをディスコース・マーカーと呼ぶ人もいるようですが、私の理解では、Well, Now といったディスコース・マーカーは、これから話すことと先行部分との境目を示す一方、内容的につながっているのか、つながっていないかを示す標識である点、つまり話のコンテンツに直接関わっている点で、相づちとは別種のものです。言い換えれば、相づちはコンテンツの器であるコミュニケーション・チャネルが「生きている」ことを確認する、メンテのためのツールと位置づけることができます。
なんであれ、あとで説明するとおり、役どころに応じていくつかの言い方がありますが、共通しているのは、相手に対して「どうぞそのまま話を続けてください、私はまだいいですよ」というメッセージが入っていることです。
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2009年12月25日
TITLE:勝間和代さんの英語
Youtubeで偶然、あの有名な勝間和代さんが英語で話しているシーンを見ました。NHKがやっている「英語でしゃべらナイト」に出演されたときの映像とのこと。有名な米系コンサル企業や証券会社などを渡り歩いたプロですし、翻訳書も二冊出してらっしゃることですし、そこは人情の自然で、どれほど高度な英語運用能力なんだろうと興味津々で聞き入りました。
細かい評価はあとにするとして、立て板に水調の英語には驚かされました。発音こそ日本語風の平板さがあるものの、基本的にはうまい英語です。ネイティブが吹き込んだ学習用 CD の英語しか知らない人には変な英語に聞こえるかも知れませんが、勝間さんが話す英語は、英語を共通語として使う人々の間では十分通用するレベルであり、何ら問題がありません。コミュニケーション上、何か問題があるとすれば、あとで触れる通り、自己流のコロケーションを作ってしまうことぐらいです。
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2009年12月23日
TITLE:シッポを落とすスキル
前回、インフォーマルな会話で「出だし」の部分をカットする方法をご紹介しましたが、自分の発言の後半部分、つまり「シッポ」をカットするということもごく普通に行われています。
例えば、東京にある会社の中で、来週、大阪出張がどうのと言っていた同僚にばったり会ったりしたとしましょう。こういった場合、「大阪、行くの?」「いやあ、行かなくちゃならないんだ」といったやり取りがあったとしましょう。
教科書英語の世界なら、ひとまずこうなります。
A: Are you going to Osaka next week?
B: Yes, I must go to Osaka.
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2009年12月22日
TITLE:出だしをカットするスキル
前回の記事にコメントしてくださった earthstar さん、「文要素をどこまで省略しても許されるのかと気になってしまい」とおっしゃる点、ごもっともだと思い、ちょっとまとめておきます。
『即戦力がつくビジネス英会話』の Lesson 2 で取り上げているとおり、基本的には、疑問文の場合に出だしをカットするものだという点、それと、平叙文での主語や There is をカットするのだという、この二点をおさえておくだけで、会話の運び方が一気に違って来ます。
他面、気をつける必要があるのは、こういったフルセンテンスを避ける話し方は、飽くまでもインフォーマルな会話の技術であって、spoken production とか extended monologue と言われるプレゼン、あるいはスピーキングテストでの話し方には使えないことです。
となると、今度はいったい何が「インフォーマル」な会話なんだという話になってしまいますが、会話がフォーマルかインフォーマルかは、おおまかに言えば、相手と会話が行われる状況(会議室なのか、居酒屋なのかなど)という二つの要素で決まるもので、結局は、相手次第ということをおぼえておけば十分です。相手次第というのは、場所が居酒屋のような場所でも、相手が妙にフォーマルな英語を使い続けるなら、こちらもそれに応じて、フォーマルな話し方を崩せないし、逆に、フォーマルな雰囲気の会議なのに、相手がさかんにインフォーマルな言い方をするようであれば、こちらもそれに合わせることになります。
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2009年12月21日
TITLE:フルセンテンス主義の呪縛
わが国の英語教育は書き言葉中心ですから、教科書に掲載されている「会話例」でさえも、そこでのやり取りはすべてフルセンテンスのぶつけ合いで、きわめて不自然です。学校英語の定番である和文英訳も主語と述語動詞あるいは主語+他動詞+目的語がそろった、きちんとしたセンテンスの型を会得する作業です。したがって、こういう教育を受けた人々は、会話例作りでも、フルセンテンス単位となります。
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2009年12月11日
TITLE:英会話の命:接続表現 (cohesive device)
来年の夏を目標に、英語できちんとした話をするためのスキルを説明した本を書こうと、目下、構想を練っています。一般に英会話は、文法がわかっており、単語やフレーズの知識があればこなせると誤解されているのに対して、そうではなく、英会話は、相手との「掛け合い」の中での独特の手順ないし枠組みの上に成り立っているものであり、そういった枠組みを理解した上で、要所要所で接続表現を中心とする決まった言い回しを使っていって、初めて筋道の通った話ができるんですよ、ということを説明していくつもりです。いくらフレーズ集を暗記してもそれで英会話ができるようにはなりません、という話でもあります。
もっとも、理屈はこうですよ、使う言い回しはこうですよと書いてあるものを読んだところで、わが国の場合、日常的に英語に触れているわけではなく、具体的なイメージをなかなかつかめません。そこで、勘どころとなる言い回しを二往復程度の会話例の中で紹介していくアプローチで臨むことにしたのですが、そこが共著者である狩野みき先生の役どころとなります。[ちなみに狩野さん、来月下旬にアルクさんから『女性の英会話 完全自習ブック』を出されるとのこと、楽しみです]
狩野さんは、帰国子女であることに加えて、日本語でも英語でも "brilliant and engaging conversationalist" とでも形容すべき方であるだけに、会話例を作らせたら右に出る者がいません(実例はこちらをご覧ください)。そういう方によるバーチャル会話の世界を通じて、会話の運び方に慣れていただこうというのがこの本のねらいです。
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2009年12月 3日
TITLE:鳩山総理の英語の発音を採点する
先日の hadronvgsさんのコメントに促されて、改めて鳩山総理の英語を聞き直してみたいものだとネットを探している途中で、9月の気候変動サミットでの鳩山演説を評価しているウェブページにぶつかりました。

どういう人が投票しているのかわかりませんが、Great, Good, Okay, Not So Good, Terrible という5段階評価で、1026票中、Great が 198票、Good が 518 票、Okayが 251 ですから、回答者の9割以上が合格点を与えています。
決して流暢だとか、ネィテイブスピーカーのようだとは言えませんが、聞いていてひとまず通じますし、その意味では合格点です。ただ、所々、発音の不正確な単語があり、ひとくちに合格と言っても、基準によりけりです。
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2009年11月 1日
TITLE:(続)いい加減な英語の話
前回、Joanna Channell という研究者に言わせると、ひとくちに vague と言っても、(a) 話し手が相手に伝えるべき「情報量」との兼ね合いで不明確な言い方をする場合と (b) 会話の相手への気遣いを示したり会話がうまく運ぶように敢えてぼかした言い方を選ぶ場合とがあるという前提に立った上で、(a) の「情報量」の兼ね合いでぼかす例を見ました。
今回は、(b) の方、つまり「会話の相手への気遣いを示したり会話がうまく運ぶように敢えてぼかした言い方を選ぶ場合」に使う言い回しを見て行きます。
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2009年10月29日
TITLE:いい加減な英語の話
英会話では、けっこういい加減なことを言ったり、あるいは、曖昧な言い方をするものです。これは日本語でも同じで、何かの名前を思い出せないとか正確には知らないような場合、例えば、カーナビに使われている GPS(全地球測位システム)に触れる際に、「カーナビに使われているジーピーなんとかって、あれ、何の略?」という具合に、「ジーなんとか」という不思議な言い方を使ったりするものです。
また、時刻や年齢など、正確に言おうと思えばできるのに、敢えてぼかして、例えば、
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2009年10月11日
TITLE:身体知としてのスピーキング
中国人の留学生に、日本人の中国語学習者は中国語をしゃべるときの姿勢が悪い、その結果として発声が悪いと指摘され、はっとしました。きちんと体を使って話すスキルの問題という点、言ってみれば身体知(五感を総動員して体得した実践知)という点で、英語も同じだと。
せっかく個々の単語の発音がいいのに、日本語を話すときと同じ調子で、平板に話す (syllable-stressed)がために、さっぱり英語らしく聞こえないという人が実に多いと感じます。本来、英語が予め息を吸っておいてから意味のまとまりごとに、いわば、ファーッ、ファーッ、ファーッ、と勢いよく息を吐きながら発声していく言語なのに、そういった問題意識が希薄なため、息を溜めないまま発声する結果、途中で息もあがり、一定間隔でビートを刻むという英語を話すときの大原則が破られ、結局、英語らしさが消しとんでしまいます。
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2009年10月 9日
TITLE:フィリピン英語
フィリピンの人の英語はわれわれ日本人から見ると、しゃべりっぷりが堂々としていますし、また、たしかに流暢な感じもします。その一方でフィリピン英語には独特のクセもあるわけで、そのあたりをちょっと考えてみました。
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2009年9月 8日
TITLE:会話力 is NOT コミュニケーション能力
文科省は英語教育に関してよく「コミュニケーション能力」ということを言うので、何をもってコミュニケーションと言っているのかが知りたくなり、ひとまず学習指導要領をのぞいてみました。
中学校学習指導要領 第9節 外国語を見ると、「第1 目標」というタイトルの下、こうなっています。
外国語を通じて,言語や文化に対する理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,聞くことや話すことなどの実践的コミュニケーション能力の基礎を養う。
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2009年9月 5日
TITLE:ペラペラとは何か
英語を勉強している人はよく「ペラペラになりたい」などと言いますが、その「ペラペラ」は三省堂国語辞典を引くと、「外国語を上手にしゃべるようす」とあります。
しかし、この「上手に」が曲者です。何をもって「上手」と言うのか自体ひとつの問題だと思うのです。
と言うのも英語でコミュニケートできるほどの能力があることを指して「上手」と言うとすれば、ペラペラ度 (fluency) はそのひとつの要素であるにとどまり、他に正確さ (accuracy) つまり話し手が意味を伝えようとする際の単語や文法といった言語形式面での正確さも要求されるからです。ペラペラ度と正確さの二つが備わってコミュニケーションができるということです。
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2009年9月 2日
TITLE:英会話の特質:日本語の場合との違い
井出祥子、片岡邦好著『文化 インターアクション 言語』(ひつじ書房ーー全編が英語という一種の論文集です)に、日本語との対比で英語の特徴をよく示す実験例が載っています。Tomoharu Yanagimachi という人の論文がベースですが、日本人による「語り」と中級レベルの日本語を習っている英語のネイティブによる(日本語による)「語り」を比べることで、英語ネイティブの英語的発想を浮き彫りにしています。
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2009年8月22日
TITLE:英会話での「型」
英会話では展開のパターンないしやり取りの手順が決まっている場面があります。例えば、このところ取り上げている英語での質問などは、やりとりの「型」が決まっています。ですから、おおぜい集まっている場で誰かが手を挙げて質問するとして、
「ちょっとお聞きしてよろしいですか」
「質問があります」
などは、ごく普通で、みな聞き流すでしょうが、
「これより質問をいたします」
とか、
「ちと、お尋ねもうす」
などと言う人がいたらびっくりすることでしょう。型破りだからです。
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2009年6月29日
TITLE:LやRなんかどうだっていい、と思います
けさの朝日新聞(29日付朝刊)を読んでいたら、子供向けの稽古事と言うのか、いわゆる早期幼児教育がはやっているという趣旨の記事があり、その中で、早期英語教育への期待を物語るセリフとして「 L や R が言えるようになるかも」というのがあり、がっかりしました。
これだけ英語がおおはやりの時代に、今なお、英語ができることイコール「 L や R が言えること」と思っている人が多いことに驚かされます。LやRをきちんと言えなくても、リズムさえきちんとしていれば英語は通じるのにです。
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2009年6月20日
TITLE:なんて無礼な!
きのうの夕刊に英会話本の宣伝がイラスト入りで載っており、目が止まりました。要するに「みなさん、気づかずに失礼な言い方していませんか」という、よくあるパターンの本ですが、「どうなんだろう」と気になったのが、I don't understand. と言った相手に対して、ネイティブスピーカーとおぼしき人がカンカンになって、
That's disrespectful!
と言っているリアクションのイラスト。訳は「なんて無礼な!」となっています。
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2009年6月16日
TITLE:英語での質問のしかた
プレゼン、セミナー、勉強会などではたいてい質疑応答があるものですが、そこでの日本人の(英語での)質問、ときには耳をおおいたくなるような、情けない例に出会います。
そもそも公の場での質問は、最低限、clear で coherent であることが求められるというのに、つまり、最低限「何を尋ねているのかがわかり」かつ「発表の内容とどう関連しているのか」がわかるものでなければ意味がないというのに、何を言っているのかすらよくわからない質問がけっこうあり、閉口します。特に専門家の質問というのがくせもので、プレゼンなどが、発表者と聴衆とのコミュニケーションの場であることを忘れ、話を自分の専門に引きつけようとしがちです。
一番困るのが、質問をしているのか,自分の意見を言っているのかがわからない人です。ひどい人になると、質問に名を借りた大演説です。
ただ、ひとつ同情できるのが、日本語のレトリックのパターンとでも言うのか、日本語での質問の場合、「お話では・・・とのことでしたが」とか、「わたしの知るところでは、何たらかんたら」と言って、一種の前置きのあるのが普通である点です。つまり日本語での質問作法ををそのまま英語に置き換えているうちに、どこかずれてしまい、結局(英語での)質問にならないのです。しかも、こういう人に限って、「前置き」部分が、so...so...you know...you know...so...I mean...so だらけで、聞き苦しいことこの上ないものとなります。
英語での質問の仕方には一定のパターンないし作法があるというのに、どうも一般にそれが意識されておらず、あるいは誰も教えてくれないようです。手順は、基本的に「ちょっと質問、よろしいですか」とイントロを入れてから(当然プレゼンの質疑応答ではこれは省略されます)、単刀直入に聞きたいことをすなおに聞きます。
これがごく普通の質問のしかたなのに、上で説明したような前置きがあると、日本流を知らない外国人は当惑したり、イライラするのが普通です。こんな場合、人によっては、うんざりしたところで、Can you put it in one sentence? (お聞きになりたいことをワンセンテンスで言ってもらえませんか)とか、もっとストレートに What's the bottom line question?(要するに聞きたいことは何ですか)とたたみかけてきたりします。
そこで、英語でのコミュニケーションの最低限のたしなみとして、質問をする場合、この程度は心得ておいた方がいいというものをまとめてみました。
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2009年4月16日
TITLE:「対照的に」と言いたいときのツール(話し言葉vs書き言葉 その4)
ちょっと中断していた「話し言葉 vs 書き言葉」のシリーズ、その4をお届けします。今回は、比較対照し、コントラストを浮き彫りにするときのツールです。例えば、先方の見解とこちらの見解がまるで正反対であるようなとき、
Their views and ours are diametrically opposite.
といった言い方をしますが、ここでは、diametrically opposite という定型ツールを使ってコントラストを際立たせているわけで、話したり書いたりしているときのアクセントとしてなかなか重宝なツールです。ただ、このフレーズは上級レベルにならないと使いづらい感じがあります。もっと素朴で使いでのあるものとしては、
yes, but
however
instead
on the other hand
nevertheless
が基本セットと言えそうです。
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2009年4月 5日
2009年4月 4日
TITLE:2,570単語知っていればブラウン首相の英語はわかる
前回のブラウン英首相のオバマ大統領との共同記者会見、いかがでしたか。映像の英語を聞き取れなかった方が多いだろうというのは想像がつきます。日頃からリスニングの訓練をしないと、なかなかこなせるものではありません。しかし、テキストの方は、語彙水準から言って、意欲さえあれば読めるレベルの英語です。2,570の基本単語(dependであれば、depends, depended, depending, dependable, dependent, dependence といった派生形を含めたワードファミリーのことで、単純な単語数に換算するとおよそ4,000単語)わかっていれば90%は理解できるのです。
というのも、これからお話しするとおり、基本単語と言える、最頻出2,000単語を知っていれば、およそ85%を理解できるはずであり、また、アカデミックボキャブラリーまでおさえていれば、なんと、90%はわかる計算なのです。
[最頻出2,000単語とアカデミックボキャブラリーの組み合わせがいかに威力を発揮するかは、こちらの記事をご覧ください。]
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2009年4月 3日
TITLE:ブラウン首相の英語:やっぱり三拍子
前回のオバマ大統領のスピーチにやたら三拍子のリズムが組み込まれていたので、同じ英語圏のブラウン首相のスピーチはどうなのだろうと思い、ネット上の「ダウニング街10番地」(英首相官邸)に行ってみたところ、ちょうど、ロンドンのG20のために折から訪英中のオバマ大統領との共同記者会見のビデオがありました。
驚きました。以前、英語使いは三拍子がお好きというはなしを書きましたが、ブラウン首相も例外ではなく、三拍子をあちこちにちりばめながら話しています。
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2009年4月 1日
TITLE:オバマ節の研究:オバマ大統領のスピーチはどこがどういいのか
オバマ大統領の話し方は実にわかりやすいし、心地よいというのか、ともかく聞きやすい。これは確かです。ホワイトハウスが提供しているこの映像をご覧ください。(テキストの全文がこちらにあります)
2/28/09: Your Weekly Address from White House on Vimeo.
こうしたオバマ大統領のスピーチが英語を勉強している人の間では大人気で、何でも演説本は40万部売れたとか言いますし、またネットで見てまわると、単語やフレーズがすばらしいとか、シャドーイングでオバマになりきろうなどとおおいに盛り上がっています。
それもそのはず、オバマ節は、七尾藍佳さんという方が「オバマ大統領の言葉に見る英語学習の hope とコツ」というタイトルで書かれているコラムで説明しているとおり、government projects などとむずかしいことを言わず、building roads and bridges と平易な言い方があればそれによっています。また、インフォーマルな感じを強める句動詞を好んで用いています。例えば、あとで引用しているスピーチをお読みになればわかるとおり、reduce と言う代わりに、 roll back といった句動詞を使うわけです。この結果、"learner-friendly" なスピーチとなっています。きちんとしたスピーチの英語を勉強したいという場合、チャーチルやケネディのスピーチと比べたら、とっつきやすいと言えるわけで、「オバマ・ブーム」となっているのもうなずけます。
ただ、私の見るところ、オバマ大統領のしゃべりがわかりやすい理由はもう一つあります。古典的と言えるぐらい基本的なディスコース・マネジメント(自分の言いたいことが相手にうまく伝わるように話を組み立てていくこと)のスキルを駆使することで、cohesion (結束性)を確保していることです。読者の方々は別として、教育のない人でも十分ついて行ける単純明快な作りに徹しているのです。
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2009年3月31日
TITLE:比較するときのツール(話し言葉vs書き言葉ーその3)
前回、「比較する」というジャンルで使う「つなぎ言葉」として、look like, in the same way, similarly, likewiseを挙げましたが、このうち、いかにも書き言葉という感じがするのは similarly です。自分だったら話し言葉の中で使うのは避けます。
ちなみに、ロングマン英英(アメリカ英語版)を見ると、W3とだけありますから、書き言葉の中での頻出上位3,000に入っている言葉であることがわかります。また、Ac と、570語のアカデミックボキャブラリーに入っている言葉であることも示されています。
それぞれが、どんな感じで使われるかをちょっと見ておきましょう。
This food looks like a mushroom of sorts.
In informal conversations, speakers often leave out the subject. So instead of saying, "I didn't go to the party," you say, "Didn't go to the party." In the same way, subjects and auxiliaries are left out: [Have you] Seen John lately?
He is a typical stay-at-home, and, similarly, his family members prefer indoors to out.
I will let you know if there are any developments. Likewise, I would like you to keep me informed.
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2009年3月30日
TITLE:話をふくらますツール(話し言葉vs書き言葉ーその2)
前回、英語圏の人々は主として作文教育を通じて自分のディスコース(人が書き言葉または話し言葉を通じて意味を伝え、相手が自分の解釈に従ってその言葉の意味を受け止める営み)を管理する術を身につけているとした上で、ディスコース管理の上での節目となるジャンルを以下のとおりご紹介しました。
(1)話をふくらます (2)比較する (3)例を挙げる (4)因果関係を示す (5)自分はこう思うと述べる (6)自分が言っていることの確率ないし確実さを説明する (7)一歩譲る (8)新たな話題を持ち出す (9)項目を列挙する (10)言い直す (11)人の発言を報告し、引用する (12) 話のまとめをつける
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2009年3月28日
TITLE:話し言葉vs書き言葉
話し言葉なのか書き言葉を知っておくのはコミュニカティブな英語を身につける上できわめて重要な要素です。というのも、インフォーマルかフォーマルを左右する要素として「話題」と「相手との関係」と並んで、「話し言葉と書き言葉の別」は重要な役割を負っているからです。
こういう問題意識がないと、大学の研究者、あるいは法務関係の人などのように、日頃硬い文章を扱っている人の場合、ただの会話がえらい文語調にもなってしまうわけで、決して笑える問題ではありません。また、わが国の場合、受験英語を通じて英語を学んでいる関係で、英語ができる(とされている)人ほど、何でもない会話に書き言葉っぽい難語のたぐいを並べるわけで、これも聞いていて疲れます。
まずは、復習がてら、次のミニクイズ(5問)で、ある単語が話し言葉に属するか書き言葉に属するかに対するご自分の感覚を確かめてみてください。出典は、ロングマンの学習英英辞典 (LDOCE) です。
英語の話し言葉VS書き言葉 powerd by けんてーごっこ
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2009年3月13日
TITLE:OKの研究
今回は、OKの研究です。実は、以前OKの研究:TVドラマ「ザ・ホワイトハウス」に学ぶそのニュアンスの多様性というエントリーで取り上げたことがありますが、まさかこれを授業の配布資料として使うわけにも行かないので、普段の会話に役立つ部分に絞り込んで、まとめてみました。
上で配布資料と言っているのは、4月10日から始まる慶應義塾外国語学校での「ビジネス英単語を使ってみて学ぶコース」で、配る予定のものです。このところご紹介している、Oh, Well, OK を含め、各種ディスコース・マーカーの使い方の資料を配布し、自然な会話例作りに役立ててもらおうと考えています。
この種のディスコース・マーカーは、どういうものがあり、どういう役割を担っているかを知っていることで、相手の話についていくのが格段に楽になりますし、理解も容易になります。一方、みずから要所要所で使って行くことにより、いわば紙の上で句読点を打っていくかのごとく、メリハリがつき、話が自然な感じで流れて行くことを実感できます。ただ、辞書を眺めていてもわかるものではなく、映画やTVドラマを何度も見て、直接触れることによってのみ、その効用がわかる性質のツールだと思います。
ところで、この OK、表記自体、O.K.; o.k.; ok; okay; okey と様々な上、working OKのように副詞として、あるいは、I'm OK. のように形容詞として、はたまた need to get his OK のように名詞としても使われますが、Modern American Usageという本などは "this world-conquering Americanism" (世界を席巻しているアメリカ英語)と形容しているぐらいで、いかにもアメリカ英語という感じのする単語です。ただ、いろいろな用途にこたえる便利なツールだけに、濫用の危険もあるわけで、The Columbia Guide to Standard American English も、相手の同意を求めてやたら使うのは避けよとした上で、場合によっては、若者の会話にありがちな、一種の チック(目をしばたたくなど、無意識に繰り返されるクセ)だとまで言っています。
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2009年3月11日
TITLE:Well の研究
Well は、海外ドラマや映画を見ていてわかるとおり、実によく出てきますが、よくよく見ると、意外と細やかに使い分けられています。今回はその Well に焦点を当ててみました。なお、Oh は話し手も聞き手も使いますが、Well はどちらかと言うと、話し手がイニシアティブを取って使うツールなので、もっぱらそういう視点でまとめてあります。
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2009年3月10日
TITLE:Ohの研究
先日ご紹介した、ビジネス英単語を使ってみて学ぶコースでの配布教材として、会話例に組み込むためのディスコース・マーカーの一覧を作っています。
今回はその中から Oh の項目だけを取り出し、ご紹介します。
初めて作る会話例には、まずは、この手の合いの手が入っていないのですが、いっぺんこの種の資料を研究してもらった上、適宜、マーカーを入れて自然な会話に近づけてくださいねと頼むと、驚くほど「フツー」の会話にしあがるものです。
2009年2月28日
TITLE:ことわざ、格言の使い方:社会言語能力の見地から
www.amazon.co.jpで、「英語 格言」で検索すると20冊以上、「英語 名言」で検索すると40冊以上、ヒットします。それだけ、英語の格言のたぐいに対する学習者の関心が高いということなのでしょう。しかし、実際の会話ではほとんど使われることがなく、いわば receptive な(聞いたときにわかればいい)ものにとどめるべきである点、注意を要するかと思います。あとで見る通り、会話の中で格言に部分的に触れたりする程度ならともかく、その格言をまるまる全部持ち出したりするのは、自然な英会話という視点からは「問題行為」なのです。
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2009年2月17日
TITLE:ラポートは英語に非ず
きのうだか、おとといの晩、夜、DVDを観るためテレビのスイッチを入れたら、教育番組なのか、研究者のような方が麻生首相とオバマ大統領の発言を分析し、麻生首相がやたらと「私」を使うのに、オバマ大統領の場合、We が圧倒的に多いといったことを指摘し、次いで、話し方のスタイルとして、事実の報告などコンテンツの伝達を目的とする「リポートトーク」と、相手の気持ちにアピールし、共感をおぼえてもらおうという「ラポートトーク」とがあると説いていました。
この「ラポートトーク」という言葉を聞いて驚いたのは、これが rapport talk を日本語読みしたものと気づいたからです。英語では、この rapport は、「ラポー」または「ラポール」としか発音されず、最後の「ト」は無音に決まっています。この単語、bond(きずな)の同義語で、学生との信頼関係ができているような教師について、She has a good rapport with her students. と言ったりします。医師と患者の関係のあり方が論じられるような場合にもよく聞く言葉で、そのことからわかるとおり、「互いに信頼感で結ばれている関係、コミュニケーションが成り立っている関係」のことですが、なんであれ、ともかく英語では rapport の "t" は決して発音されることがありません。「ボム」である bomb を「ボンブ」と発音するたぐいの、みっともない間違いです。
気になってネットで「ラポール ラポート 英語 発音」というキーワードで検索したところ、「ラポール(Rapport)とはフランス語読みで、英語ではラポートとなる」という大胆な解説を見つけました。しかし、これは正しくありません。「英語読み」であってもやはり最後の "t" は発音されません。心配になって、手許にある英英辞典を片端から確かめてみたところ、発音の表記上、"t" が発音されるとしているものは皆無でした。
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2009年2月12日
TITLE:即効ビジネス英会話第12回:徹底解説
即効ビジネス英会話の第12回(来客の応対⇒空港からホテルへ その6)の徹底解説です。
【状況】
無事ホテルに来客を送り、別れを告げるシーンを2つ取り上げます。
★今回の英文1
A: I hope you enjoy your stay here. B: I'm sure I will. Thank you.
★今回の英文2
A: Well, good-bye, Mr. Tanaka. Have a nice day. B: Good-bye for now. I'll give you a call at the hotel tomorrow morning.
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2009年2月 5日
TITLE:即効ビジネス英会話第11回:徹底解説
即効ビジネス英会話第11回(来客の応対⇒空港からホテルへ その5)の徹底解説です。(おかげさまで、2月5日現在、「即効ビジネス英会話」はiTunes Store の 「トップ PODCAST」の第7位につけています)
【状況】
仕事の内容、続けて、仕事の調子について話す場面です。
★今回の英文1
A: May I ask what kind of work you do?
B: I'm in research.
★今回の英文2
A: How are things?
B: Pretty well. / Not bad. / Could be better. / We're not doing well.
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2009年1月30日
TITLE:即効ビジネス英会話第10回:徹底解説
即効ビジネス英会話第10回の徹底解説です。
【状況】
移動中に、滞在期間や滞在経験について話す場面です。
★今回の英文1
A: May I ask how long you'll be staying?
B: I'll be here for three days.
★今回の英文2
A: I imagine this isn't your first time here in Japan.
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2009年1月23日
TITLE:図解:英会話のメカニズム
英会話の世界がどうなっているかを図解してみました。(チャートをクリックすると拡大表示されます)
英語に関する知識を増やし、検定のスコアでそのことを確認しても、英会話能力に直接結びつくものではないことを見て取れるのではないでしょうか。要するに会話用フレーズを含めての単語ならびに文法だけでコミュニケートできるものではないということです。基礎的な英語力としては受験英語レベルのものがあれば十分すぎるぐらいですが、それであとは会話に頻出するフレーズをおぼえればいいというものではありません。別途、言語運用能力が必要だという話です。
関連記事を以下にご紹介します。
★ 社会言語能力をとりあげたブログ記事
Please頼みは危険
ゴーマンな輩:プラグマティクスでの失敗
褒め言葉に Thank you. と返していいのか?
★ 会話能力をとりあげたブログ記事
基礎英語+ディスコース・マネジメント=英会話力
(前編)英政府が説く英会話の本質
英会話は教えることができるのか
きちんと話すために不可欠な CohesionとCoherence
★ 会話のメンテナンスをする能力
コミュニケーション・リペア:会話共同体を維持するためのトラブルシューティング
その他スピーキング/ライティング編のアーカイブに格納されているエントリーも役立つと思います。
人気ブログランキングが励みになっていますので、本日分の一票、どうぞよろしくお願いします。人気blogランキングに一票
2009年1月22日
TITLE:即効ビジネス英会話第9回:徹底解説
即効ビジネス英会話の第9回(来客の応対⇒空港からホテルへ その3)の徹底解説です。
【状況】
前回に続き、天気についての会話を紹介します。
★今回の英文1 A: Nice day, isn't it! B: Indeed. It's been like this quite a while.
★今回の英文2 A: It's getting cloudy. Hope it doesn't rain. B: I hope so, too.
おかげさまで、iTunesのポッドキャスト部門でベストテン入りし、1月27日現在第6位にランキングされています(これから爆笑問題やオバマ君と対決です)。しかも、ビジネス英会話とあったので堅苦しいものかと思っていたら、わかりやすく、10分もないのに内容が濃く、初心者にも十分という趣旨の好意的コメントまでついてます。ありがたいことです。
2009年1月15日
TITLE:即効ビジネス英会話第8回:徹底解説
ポッドキャストでお届けしている即効ビジネス英会話第8回(来客の応対⇒空港からホテルへ その2)の徹底解説です。
【状況】
会話に詰まったときの特効薬。「天気」について話す場面です。
★今回の英文
A: How do you like this weather? B: Pretty muggy, isn't it? A: We have a more humid summer compared to what you have in the States.
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2009年1月 9日
TITLE:Please頼みは危険
普通に英語を話している人々の感覚からすると、Open the window, please. は決して polite な(礼儀正しい)ものの頼み方ではありません。いくら please をつけても、指図/命令であることに変わりはないからです。言ってみれば、おまじないかのように please を付けときゃ大丈夫という感覚でいると、思わぬところで足をすくわれることになり、その意味で please 頼みは危険ですらあります。
まずは、エジンバラ大学で音声学を教えている Robert Ladd という先生が体験した日本からの交換留学生の英語をご覧ください。その留学生(16歳前後の女の子)を含めてみんなで何かのパーティーに車で出かけ、着いたところから話は始まります。
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2009年1月 8日
TITLE:即効ビジネス英会話第7回:徹底解説
即効ビジネス英会話の徹底解説をお届けします。
第7回 来客の応対⇒空港からホテルへ その1
【状況】
ホテルまでの移動中、来客に旅の様子を聞いてみましょう。1つめはフライトがどうだったか、2つめは旅行に要した時間について聞いています。
★今回の英文1
A: How was the flight?
B: It was fine, thank you.
★今回の英文2
A: How long was your trip?
B: It took about 18 hours.
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2009年1月 7日
TITLE:コミュニケーション・リペア:会話共同体を維持するためのトラブルシューティング
英会話に対する誤解のひとつに、「単語、文法とも所定のレベルに達していないと話せない、だからもっと勉強してから会話の練習をしよう」というものがあります。しかし、これはある意味では「いい加減」に進められる英会話の実態をご存じないために、ターゲットをむやみに高いところに設定していると言わざるを得ません。実際の英会話は、互いに助け合いながら流れを作っていく「会話共同体」により行われるものであり、一方が詰まれば、相手は助け舟を出してくれたり、あるいは言葉を引き取って、「つまり、こういうこと?」などと未完の部分を補ってくれるものです。ですから、本当は、そこそこの英語(中学程度)で十分対応できるのです。
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2009年1月 5日
TITLE:即効ビジネス英会話第6回:徹底解説
「即効ビジネス英会話第6回の徹底解説です。
【状況】
前回に続き、来客を案内する際の表現を紹介します。
★今回の英文1 A: We'll take a bus to get to your hotel. This way, please.
★今回の英文2 A: We'll get to downtown Tokyo by train. The train station is in the basement level of this building.
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2009年1月 4日
TITLE:(完)ディスコース・マーカー
ディスコース・マーカー(会話の流れをコントロールするためのツール)の最終回は、主として話し手が発するマーカーの特集です。
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2009年1月 3日
TITLE:(3)ディスコース・マーカー
前回と前々回の記事を通じて、英会話をこなすためには、単語と文法の知識に加えて Rules of Use つまり「どういった言い方」を使うべきかを心得た上、Rules of Discourse つまり「どういった話し方」をすべきかも頭に入れておく必要があると説明してきました。
この枠組みに即して言えば、ディスコース・マーカーの特集は、Rules of Discourse の世界に属する事柄で、「どういった話し方」をすると相手とのやり取りが円滑に行くかを知る上で重要なツールです。ただ、ここで取り上げているものは、もっぱら、通常のやり取りを維持するためのマーカー、言い換えれば会話共同体のメンテナンスに必要なものばかりです。
実質に踏み込んで話をふくらませたり、限定をしたり、あるいは、話にメリハリをつけるためのマーカーは機会を改めてお届けします。
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2009年1月 2日
TITLE:きちんと話すために不可欠な CohesionとCoherence
「きちんと英語が話せる」とはどういうことかが論じられる際に必ず出てくる言葉に cohesion と coherence があります。英語の専門家は「結束性」だの「一貫性」だのとむずかしく表現しているようですが、要は、cohesion というのは「言っていることのつながり具合」であり、coherence というのは、「言っていることにまとまりがあること、筋道が通っていること」です。語句の形式的なつながり具合を見るのが cohesion なら、その語句を使って言おうとしていることどうしが辻褄が合っているかを問うのが coherence という言い方もできます。
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2008年12月31日
TITLE:ゴーマンな輩:プラグマティクスでの失敗
単語や文法ばかりに力を入れ、プラグマティクスというものに意を用いないで英語を勉強していると、自分でも気づかないまま、傲岸不遜な奴という印象を与えてしまうおそれがあります。プラグマティクスとは、社会的文化的要素を踏まえた上での、状況に見合った言葉の的確な運用のことですが、今回は、もっぱら形式としての言葉にばかり注目し、生身の人間が実社会で英語を使う際に考慮すべき点を無視ないし軽視している学校での英語を意識しながら、プラグマティクスがいかに大事かを見ていきたいと思います。
実は、橋内武著『ディスコース:談話の織りなす世界』(くろしお出版)という本を読んでいたら、「インターアクションの社会言語学」という章で、チュートリアル(イギリスの大学での個人指導)における日本人留学生とイギリス人学生の対応が比較されており、それがまさにプラグマティクスの素材としてうってつけだったので、思わずブログネタにした次第。
まず指導教員が、画家Xについて、
Are you familiar with the work of X?
と尋ねたの対して、当然、プラグマティクスがわかっているイギリス人学生は、こう答えています。
Yes, I saw her exhibition last week at Y Gallery. Although she is not my favorite, I know she has influenced my work, particularly in respect to Z.
注目したいのは、「Xの作品、どの程度知っていますか」という趣旨の問いに対する答えが Yes のひとことである点です。あとは相手の問いを起点に自分にとってXがどういう存在であるかの説明になっています。
一方、日本人学生、A, B の返答は以下のとおりです。
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2008年12月27日
TITLE:褒め言葉に Thank you. と返していいのか?
誰かにネクタイ、ドレスその他自分が身につけている物あるいはバッグや時計などの持ち物をほめられた場合、Thank you. と応ずるものでしょうか。
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2008年12月25日
TITLE:即効ビジネス英会話第5回:徹底解説
ポッドキャストでお届けしている即効ビジネス英会話第5回のビギナー向け徹底解説です。
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2008年12月24日
TITLE:基礎英語+ディスコース・マネジメント=英会話力
このところディスコース・マーカーを取り上げていますが、考えてみると、なぜディスコース・マーカーが重要なのかをきちんと説明せずじまいです。この種のマーカーが重要なのは、英会話を管理運用するスキルセットであるディスコース・マネジメントの要素だからです。となると、今度は、「ディスコース・マネジメントって何なの」ということになるので、改めて考え、まとめてみました。
なお、文中にある「英語では以心伝心が通用せず、基本的に何でも言葉にして明示するのが普通であることから、話を組み立てるための、What's more, As a result of that といった標準的部品を相手に対してこれだよと見せながら使うスキルが求められます」というくだりはディスコース・マーカーのことを指しています。
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2008年12月23日
TITLE:(2)ディスコース・マーカー
前回のディスコース・マーカーがいずれも、ただ「聞いています、まだ話す順番を譲ってくれる必要はありません、どうぞ続けて」という意味あいであるのに対して、以下のものは、ちょっとしたコメント形式であり、本質的には変わらないものの、「会話共同体」をいっしょに盛り上げている感じがします。
イギリス人と比べ、アメリカ人はこういった一歩踏み込んだ言い方を好むというのが個人的印象です。そしておもしろいもので、アメリカで勉強したり、生活したりした人にはこの傾向が刷りこまれるようでもあります。ですから、アジア人留学生の英語を聞いているとアメリカで勉強したかが大体わかります。
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2008年12月21日
TITLE:(1)ディスコース・マーカー
会話が主体の映画を調べると Now, Well, Right, Yes, OK, So が頻繁に使われていることが知られています。また、日常会話では、Mm, Uh-huh, Yeah が頻出します。こういったディスコース・マーカーと呼ばれるツールの会話での役どころを理解し、頭の中でのリハーサルを繰り返さないと、いくら基本文法がわかっており、単語を多数知っていても、会話ができるようになりません。
実際、相手の言っていることはわかるのに、自分からはうまく会話の流れに入っていけない原因の一つは、ディスコース・マーカーをうまく使えないためです。ペラペラしゃべり続ける相手のペースで進んでいる流れをせき止め、自分の順番を確保するツール、例えば、Well, I see your point, but...と切り込めないとおもしろくありません。あるいはもっと強めに、Listen, と打って出るためのツールだってあるわけです。
またディスコース・マーカーを要所要所で使い続けないと、相手には話を聞いてくれていないなと映ります。
そして、何よりも大事なこととして、マーカーをここぞという所で打ち出せないと、その発言が先行している発言との関係でどういうものかが相手にわかりにくく、交互に会話共同体の構築に寄与しつつ、情報・意見・気持ちを伝え合うという会話のプロセスが不完全燃焼で終わってしまいがちです。とりわけ、会話本で学べる定型的なやり取りではなく、非定型的な会話を自分で組み立て、運用していく上で決定的な役割を果たします。
要するに、ディスコース・マーカーは、英会話を成り立たせる本質的要素の一つなのです。いわば「会話共同体」の運営にちゃんと参加していることを示すため、当事者が交互に繰り出すマーカーであり、会話の管理運用(ディスコース・マネジメント)上、どういうマーカーがあり、どういうタイミングで出すかを知ることは英語でコミュニケートしようという以上、避けて通れない問題です。
そこで、こうしたマーカーを聞き手が繰り出すものと話し手が繰り出すものとに分けた上、聞き手が繰り出すものをさらに、「聞いているよ」と合図するだけのもの、積極的にフィードバックを与えるもの、その他のマーカーに分類してみました。
数が多いので、何回かに分けるつもりです。また、まだドラフト段階ですので、訳文は省略してあります。
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2008年12月17日
TITLE:即効ビジネス英会話第4回:徹底解説
ポッドキャストでお届けしている「即効ビジネス英会話」、第4回のための徹底解説です。
今回の会話例はこういうものです。
【状況】
挨拶の次は、これからの予定について話します。
★今回の英文
A: We'll take you to your hotel. It takes about an hour and a half from here.
B: Thank you. There must be some messages from the head office at the hotel.
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2008年12月14日
TITLE:(後編)英政府が説く英会話の本質
第二に、英会話ではコミュニケーションがリアルタイムで進められる。
(a) 当事者にしかわからない指示詞
何かを指す言葉であって、しかも、相手がその場にいないとわからない this や that のたぐいです。英語では、pointer words と言い、専門家は、deixis (読み方は、die-ik-sis) などと呼んでいます。
例えば、前方で道が分かれているのを見たときに、「このまま行くの?それともあっちの方?」と一緒にいる人に聞く場合、Which road shall we take, this one or that one? と言うわけですが、ここでの this や that が「当事者にしかわからない指示詞」に当たります。
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2008年12月12日
TITLE:(前編)英政府が説く英会話の本質
「政治家さんたち、外身はいいものを着ているし、立派なのはいいとして、中身はどうなの、いったい内容のある話なんかできるの?」と問いかける、このセンテンス、実はイギリス政府による「英会話研究」の成果を反映しているもので、英会話の本質的特徴7つがすべて織り込まれています。今回は、この話です。
このところ何度か英会話がどういうものかを取り上げていますが、先日、留学生に日本文化を教えている先生と雑談をしていてこの問題について新たに気づいたことがあります。日本語では、よく「座談の名手」とか「話術に長けている」といった言い方がありますが、こういった人たちは、決して英語で言う conversationalist (= person good at or fond of conversation) ではないな、と。
以前から、英会話をテニスなどのように「打てば必ず返球がある」ゲームに例えるとすれば、日本語の会話はボウリングのように、「互いに投球を見守り、感想を述べ合う」ゲームだといった話をよく聞かされます。そういった下地があるところに、最近、なぜか「英語できちんとものを言えない」人々に接する機会が多く、もっとこのスタイルの違いを認識してもいいのではないか、そうすれば今の単語力・文法力を活かして英語が話せるのにとの思いが強まっています。
例えば、一般の英語学習者の場合、英会話が「間を置くことなく交替しながら進める」共同作業だという認識が希薄ですから、第一に、教室で質問されてもすぐ答えねばならないという切迫感がなく、仲間と相談したり、ぼーっとしたり、ともかく沈黙が流れても平気です。これは教室の外でも基本的に同じです。英会話の世界では沈黙は罪、いや、今かと待っている相手の期待を裏切る行為だというのにです。第二に、一方の発言に対して、何かを返すにしても、共同で新たな境地を切り開くという感覚がありませんから、単調な返事に終始するのが一般です。これでは会話を続ける意味がありません。

それでは、英会話とはどういうものかということになりますが、この問題にずばりと正面から答えているものがあります。イギリス政府の教員免許・カリキュラム機構 (Qualifications and Curriculum Authority)がまとめた Introducing the grammar of talk つまり「話し言葉の用法ガイド」という名の 小冊子です(以下、IGTと呼びます)。
イギリスでの教育制度上 Key Stages 3 & 4 に区分される 11歳から16歳の子供を対象に、英語での話し言葉の本質を見きわめた上、その本質が現象としてはどう表れているかを解説している、一種のマニュアルです。本来はイギリスの教師や学生(特に母語が英語以外の言語である学生)に話し言葉によるコミュニケーションの実像を伝えようとするものですが、英語の学習者、特にコミュニカティブな英語即ち「使える英語」に関心のある学習者にとり、実に有益な情報が詰まっています。
ところで、このIGTをテーマにした授業風景をこちらのビデオクリップでご覧になれますが、思わず笑ってしまったのが、教師のうしろに見えているボード上の暗記言葉。話し言葉の用法における7つの特徴、Discourse markers, Deixis, Purposefully vague language, Ellipsis, Spoken clause structures, Modal expressions を覚えてもらうため、Do Dapper Politicians Ever Speak Meaningfully? というセンテンスにしてあります 。
今回は、「コミュニカティブ英語観察の手引き」とでも言うべきこの資料を元に、いわば英語の本家本元に当たるイギリス政府が英会話の本質をどう捉え、また、その本質に由来する現象がどう説明されているのかを見ていこうと思います。内容としては別に目新しいことではないものの、通常、こういったことは難解な専門書でしか解説されていませんから、ユニークな資料です。それが具体的に何であるかを示すこともなく、生きる力だの言葉の力だのと言う人々に見習ってほしいものです。
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2008年12月11日
TITLE:即効ビジネス英会話第3回[ビギナーのための徹底解説]
本日、「即効ビジネス英会話」の第3回がリリースされるので、それに合わせて、ビギナーの方々を意識しての補足説明をお届けします。
おかげさまで itunes Store のランキングで12日現在、第三位にランキングされています。ありがとうございます。(ランキングを見るには、iTunes STORE → Podcasts → オーディオPodcast → 教育 → トップオーディオPODCAST)
今回の「お題」はこれです。
【状況】
まずは、来客を出迎える際に、同行した同僚を紹介する表現(スキット1)、続けて、ねぎらいのことばのかけ方(スキット2)を取り上げます。
★今回の英文1
A: Mr. English, I'd like you to meet Emi Koizumi. She's on the production side.
B: Hello, Ms. Koizumi.★今回の英文2
A: Did you get some rest?
B: Yes, thank you.
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2008年12月10日
TITLE:(中)英会話の小道具:前置き用の副詞
前置き用の副詞、今回は、相手に自分が話をどう組み立てているかを積極的に見せるためのの副詞です。 何かを言ったあとに、続く発言の頭に Consequently (というわけで、その結果として)といった副詞を置くことで、聞いている相手は、今聞いた発言との関係で、今度の発言は「その結果どうなったかを教えてくれるんだ」と心づもりができ、コミュニケーションが円滑にもなるわけで、会話に際して、こういったツールが頻繁に使われるのもわかろうというものです。
数がたくさんあるので、二回に分けることにし、後半は次回、ご紹介します。
なお、こういったものは話の調子を整えるために便利なので、ともすると濫用され、相手に「またかよ、うるさいな」と思われてしまうリスクを伴っています。例えば、そこそこ英語が話せる人が乱発する "You know" などがいい例です(ちなみに、"You know" は "like" と並んで圧倒的に女性が多く使うという報告があるぐらいですから、男性による乱発はますます変な感じを与えそうです)
世の中、最も耳障りな決まり文句のワースト20あるいは人をいらつかせる10の決まり文句などというランキングがあるぐらいですから、何事もほどほどにということなのでしょう。
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2008年12月 6日
TITLE:(上)英会話の小道具:前置き用の副詞
会話では、個々との発言の間にきちんとしたつながりがあり、全体がひとまとまりの話として筋道が通っていること、つまり coherence (首尾一貫していること、つじつまが合っていること、脈絡がきちんとしていること)が大事ですが、これを積極的に確保するための小道具として、個々の発言の前置きとして使う副詞がなかなか役に立ちます。先行する発言との関係で、今度の発言がどういう位置づけのものかを予告する機能を果たしているわけで、言い換えれば、自分の話をきちんと組み立てるための道具です。
こういった副詞は、話し手が「私のこの発言はこういう色合いのものです」とその位置づけを教えてくれるラベルを貼るようなもので、聞き手としては、受入れ準備ができるという意味で便利であり、それが円滑なコミュニケーションにも役立つことになります。また、もう一つ大事な点として、こういったツールを介して、相手がカチンと来るかも知れないことや期待にそわないことを言うに当たって、そのインパクトを和らげたり、あるいは、「ね、そうでしょう、あなただってそう感じるでしょ、思うでしょ」と相手との連帯をアピールしてもいるわけで、その意味では、以前、英会話の特徴を説明した記事で触れた「会話共同体」の平和を確保するためのツールでもあります。
今回は、主として話し手の価値判断を示すラベルを特集しました。次回、理屈の流れの中での位置づけを示すラベルを特集しようと思います。ご期待ください。
なお、ビジネス英会話あるいは英会話というと、back to square one(いちから出直し)といったイディオムをおぼえることが大事だと思っている人が多いようですが、それは違います。こういったイディオムを並べて話すのは、日本語で言えば、四字熟語を羅列してしゃべっているようなもので、異常なことです。普通の会話では、聞けば「あれか」とわかるようなごく素朴な副詞をうまく配して使っているものです。
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2008年12月 5日
TITLE:即効ビジネス英会話第2回[ビギナー向け徹底解説]
ポッドキャストでお届けしている即効ビジネス英会話の第2回が12月4日にリリースされました。
内容は
【状況】 すでに顔見知りの相手を出迎える場面です。★今回の英文
A: Nice to see you again. How are you?
B: Very well, thank you. And you?
A: Fine, thanks.
発音の仕方はポッドキャストでお伝えしているとおりですが、5分前後のコンテンツを聞き流しただけではピンと来ないという方もいらっしゃるでしょうから、ビギナーの方を意識しながら内容の補足説明をします。これをお読みになった上で繰り返し聞けば学習効果も倍増するはずです。やはり理解した上で繰り返した方がいいに決まっていますから。
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2008年12月 4日
TITLE:即効ビジネス英会話第1回[ビギナー向け徹底解説]
ポッドキャストって、そんなに利用者がいるんだろうかと半信半疑で始めた企画ながら、みなさまのご支持のおかげで、iTunes Storeでのランキング(「教育」部門)が4日の午後10時現在、第3位にまで上昇しています。そこで、登録してくださった方へのお礼という意味を込めて、じっくりと補足説明させていただこうと思い立ちました。
周辺知識を含め、くどいぐらいに基礎的事項を説明させていただきましたので、何かしら発見はあるかと思います。
【状況】
初めて会うビジネス相手を空港に出迎える場面。相手が自分の探している人かどうかを確認します。★今回の英文
A: Are you Mr. English from ABC Corporation?
B: Yes ...
A: How do you do? I'm here to meet you. I'm Hinata from XYZ Corporation.
B: How do you do?"
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2008年12月 2日
TITLE:英会話は教えることができるのか
世の中、英会話という独自のジャンルがあり、まじめに英会話クラスに通えば英語を使って外国人とコミュニケートできるようになるとされています。その一方で、実は、英会話などは教えようがないのだという説もあります。私自身は、語学というのはパターンの発見とその習得だと理解しているので、英会話にパターンがある以上は、習得の対象とすることができると考えていますが、英会話は間接的にしか教えようがないのだという見方にもそれなりの説得力がありますので、それと見比べながら、今いちど、英会話の習得とは何なのか、どうすべきかを考えてみました。
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2008年11月29日
TITLE:Mm, Yeah, Uh-huh
表題のMm, Yeah, Uh-huh は、会話をしているときに、聞き手に回っている方が話し手に対して「ちゃんと聞いています、どうぞ続けてください」と伝えるために最もよく使われるディスコース・マーカー(会話の当事者による合いの手、相づち)で、"I'm listening to you." という合図を送るものです。端的に言えば、略式の Yes (casual Yes) です。相方が適宜、こういう合図を送ってくれることで、話し手もいわば安心して話を続けることができ、その意味で英会話を成り立たせるための必須のツールであり、コミュニケーションを担う "good interactive listener" であろうとする以上、その使い方は必ず身につけておく必要があります。
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2008年11月27日
TITLE:ポッドキャストを100倍活かす発音の基礎知識
11月27日、ビジネス英語のポッドキャスト第1回分がリリースされました。
第1回 来客の応対⇒空港で出迎える その1【状況】 初めて会うビジネス相手を空港に出迎える場面。相手が自分の探している人かどうかを確認します。
【今回の英文】
A: Are you Mr. English from ABC Corporation?
B: Yes ...
A: How do you do? I'm here to meet you. I'm Hinata from XYZ Corporation.
B: How do you do?"
こういう素材ですが、これを英語のビートに乗せて相手に伝えるためのコツを説明し、次いで相方のエリさんが実際にやってみるという形式で進めています。「ビジネス英会話」の基本表現の使い方も大事ですが、通じるように言えなければ意味がないということで、「弱・強」「弱・強」つまり「ウーン・パッ」「ウーン・パッ」という英語特有のビートに乗せるための練習コーナーを設けてあります。
この「ウーン・パッ」「ウーン・パッ」については、過去記事の(上)英語は「ウーン・パッ」「ウーン・パッ」で話すをご覧いただければ、より詳しく説明してあるので、今回のポッドキャストのシリーズを聞き流すだけに終わらせず、自分なりの発音のインフラ作りに結びつけてください。
また、このシリーズでは、「意味上の固まりをひと息で」と強調していますが、こちらの「英語の切れ目:話すときのポイントは意味上の固まり+休止符」という記事をご覧いただければ、こだわる理由をわかっていただけるはずです。
無料ですし、英語の発音コーチングに徹しておりますので、どうぞご利用ください。おかげさまで「即効ビジネス英会話」、iTunesストアの教育部門のランキングで28日、午前7時現在、ベスト10入りしており、みなさまのご支持を感じます。ありがとうございます。
実は今回の企画の話があるまで知らない世界だったのですが、iTunesストア、なかなかいい教材がそろっていて驚きます。行き方は簡単で、お持ちの iTunesの左サイドバーにある iTunes Store をクリックし、次に、左上の iTunes STORE の中の Podcasts という項目と、下の「カテゴリ」のボックス内、まんなかあたりにある「教育」をクリック。その上で、右側にある 「トップ Podcast」と書いてある部分の右横にある矢印キーをクリックすると、上でご紹介したランキングが現れます。あとは、それを見ながら気に入ったものを登録する仕組みです。もちろん、まずは「「即効ビジネス英会話」から登録してくださいね。
なお、この第1回の内容についての解説はこちらの記事をご覧ください。
2008年11月25日
TITLE:(下)英会話って何だろう
★ 専門家が描く「英会話の姿」
一方、談話分析とか会話分析と呼ばれるジャンルの専門家が「英会話の姿」をどう捉えているかと言うと、Scott Thornbury と Diana Slade の共著、Conversation: From Description to Pedagogy (Cambridge University Press) では、会話の要素として、(1)準備される書き言葉ではなく、話し言葉であること、(2)リアルタイムのできごとであること、(3)そこでの会話の文脈につき当事者間で共通の認識があること、(4)双方向的営みであること、(5)基本的に人と人との関係を円滑にするためのものであること、(6)インフォーマルであること、(7)当事者の価値観、個性が色濃く出ることを挙げた上で、会話をこう定義しています。
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2008年11月24日
TITLE:(上)英会話って何だろう
英会話、英会話と気安く使われる言葉ですが、「話せる英語」「ペラペラ英語」といったそのバリエーションを含め、ほとんどの人がそれがどういうものであるかなどを意識したりしないようです。例えば、「英会話ができるようになるため」会話学校の英会話クラスに通っている人に「英会話」とは何ですかと聞いてみたところで、「英語を話す」という程度の答えしか返ってこないことでしょう。
ところがその程度の認識で誰も問題だとは感じないようで、その証拠に、英会話学校が商品の特質をわかってもらうべく説明会を開いたなんて話は聞いたことがありません。
そうは言っても、よくよく考えると、英会話学校での「英会話」クラスというのは、何を、どう教えることをもって英会話と言っているのだろうと疑問が湧いてきます。実際、Richards という研究者などは、The Language Teaching Matrix という本の中で「会話クラスというのは言語教育上、けっこう謎めいたもの(something of an enigma in language teaching) 」だとした上で、そのつかみどころのない性格のゆえに、「無資格のネイティブスピーカーが思いつくままに教材や教授法を組み合わせて一定時間受講生に話させている例があるかと思えば、有資格のネイティブスピーカーがいても、その人に任せっ放しだったりする」と指摘しています。
今回は、このように漫然と語られる「英会話」も固有の構造を持っていること、また、普通に英語を話す人は、意識しているか否かは別として、このような英会話独特のプロセスが頭に入っているので、そのプロセスに合わせて様々なツール、例えば、話を切り出すとき、話を続けたいとき、そして終わらせるときに特有の語句を繰り出しており、その意味では自分の会話の管理・運用をしているのだという話をしたいと思います。英語を話す人は、実は、ディスコース・マネジメント(会話の管理・運用)をきちんと行っているという話です。
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2008年11月17日
TITLE:(増補改訂版)話を切り出すための小道具
例文を入れてくれというリクエストがありましたので、それに応えて補充すると共に、項目も増やしました。
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2008年11月12日
TITLE:話を切り出すときの小道具たち
前にも取り上げたものを含め、切り出すときの小道具たちをまとめ直してみました。いつも学生たちに会話例を作ってもらっているのですが、そのときの手助けになると思ってのことです。
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2008年10月14日
TITLE:(2)英会話用モジュール
今回も、思いつくままに、「そう言えば、会話のときに、こういうセリフよく聞くな」というものを7つばかりご紹介します。
「使える英語」ないし「英語でコミュニケーションができる」レベルを目指している方には、ただ「へー、そうか」と眺めて終わりにせず、「自分だったら、このフレーズ、こんな感じで組み込んで使うな」と、断片的でもいいから会話例を組み立て、いっぺん頭の中でリハーサルをする方法をおすすめします。同じインプットでも頭の中でリハーサルするほうが効果があがることが実証研究からも裏づけられており、効率的です。
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2008年10月 7日
TITLE:(1)英会話用モジュール
前回の記事で取り上げた「モジュール」を思いつくまま、いくつか取り上げ、その具体的な使い方を見ていきます。別段、ビジネス英語に特有ということはなく、普通の会話でいくらでも出てくるものばかりです。
こういったできあいのフレーズをそのまま覚えていくアプローチが効率的であることについては以前にも書きましたが、今回は、その中でも、発言の頭に振っていく独特のジャンルに焦点を合わせます。英語使いたちの会話を聞いていると、こういったものを要所要所で振り、いわば会話のテンポを創り出していることがわかります。その意味で「英語らしい会話」を進める上できわめて大事な小道具だと感じています。
ちなみに前回ご紹介した白井恭弘著『外国語学習の科学』(岩波新書)でも、「大人の学習者がネイティブのように話せるようになるには、ルールを覚えてそれを適用するよりも、膨大の数のフレーズを覚えて使いこなすことがより重要なようなのです<中略>言語の本質とも関わるのですが、我々の話すことのかなりの部分が決まり文句からなっている、という現実もあり」と説いていますので、一つのアプローチとして間違いがなく、また、効率的であるのは確かです。
なお、いっぺんにわーっと取り上げると読む方も大変でしょうから、7個ずつにしました。なぜ7個かと言うと、プリンストン大のジョージ・ミラーの研究により、人間の短期記憶は一度に7プラスマイナス2程度のかたまりしか処理できないというのが定説だからです。
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2008年10月 3日
TITLE:(下)なぜ英会話ができないのか:会話を続けるための小道具
★ 話の頭に振っておくモジュール
前項で取り上げたモジュールが一番役立つというか、存在感を示すのは、おそらく、「何か言おうとするときの前触れ」として使うタイプではないでしょうか。というのも、英語での会話というのはまさに奔流のように続くのが当たり前とされ、したがって、話し手は考えをきちんとまとめるのを待たずにともかく何か言って場をつなぐ必要があるわけで、そういった場面でこの種のモジュールをぱっと出せるかが大きな意味を持つからです。
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2008年10月 1日
TITLE:(上)なぜ英会話ができないのか−−会話特有のスキルを考える
「上げ潮を実現する英語教育」という先日の記事では「英語が使える日本人」とか「英語でコミュニケーションができる」といったことを言いながら、一体何をもって「英語が使える」とし、「英語でコミュニケーションができる」とするのかという問いに答えないままで話を進めるので、努力の対象が明確にされずじまいで、だから英語教育はさっぱり効果をあげないのだという話をしました。
その中で、単語と文法がわかっていれば英語ができるという誤解があり、英語でコミュニケーションができるようになるためには、さらに、きちんと話を組み立て、その状況にあった適切な言い方を選べる能力も必要だと説明しましたが、このことは当然、会話にも当てはまります。
[単語と文法だけじゃ駄目だよという見方は英語研究者の間ではいわば通説となっていますが、このあたりを最近出た白井恭弘著『外国語学習の科学』(岩波新書)が実によくまとめています。つまり英語を教えまたは学ぼうとする人々が知っていてしかるべき研究成果があますところなく、かつ、簡潔にまとめられている上、そういった成果を踏まえての効果的学習法まで解説しているのです。強くお勧めします]
みなさんのまわりにも、私のまわりにもひどく文法に詳しく、単語もやたらよく知っており、難なく英字新聞やら雑誌を読みこなしているのに、実際の英会話となると、何か今ひとつで、「おやっ」と思ってしまう人がけっこういるはずです。これこそ単語と文法だけでは英会話はこなせないいい証拠です。
英語のことをよく知っているのに会話となると今イチという人に共通しているのは実際の英会話の経験がないか、少ないために、英会話がどういうものかわかっていないということでしょう。
今回はこういう視点から英会話とはなんぞやということを書き、既に単語や文法ができる人が最後の壁を乗り越えるのをお手伝いできればと思います。
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2008年9月12日
TITLE:句動詞の前置詞と副詞を区別する意味と判別法
句動詞は中級以上の学習者が特に苦手意識を持つ分野のようですが、その理由の一つは、「実行する、実施する」という動詞を考えた場合、受験英語や大学のリーディングなどでは "implement" といった1要素型の動詞が多く出てきたのに、TOEICを初めみなさんが実際に触れる教科書以外の英語の世界では、"carry out" といった2要素ときには put up with といった3要素ある句動詞がやたらたくさん出てくるからではないでしょうか。
(ちなみに、 carry out research =「調査をする」と言えるのに、いちいち undertake research =「調査を実施する」という言い方をするのは、文語調で日常会話をしているようなもので、異様であり、だからこそ普通の会話での動詞はだいたいが句動詞になります。他面、アカデミックライティングではこの種の句動詞はあまり使いません)
もう一つの理由は、句動詞を構成する<動詞+α>のαの中身である不変化詞 (particle) と呼ばれる部分が副詞だったり前置詞だったりと面倒な上、見分けがつきにくいからでしょう。そして、実際上は、この前置詞なのか副詞なのかという区別が多くの人にとり悩みの種のようなので、今回はこの問題にスポットライトを当て、その区別の実益を説明したいと思います。
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2007年8月27日
TITLE:「どうにもとまらない」に学ぶ日本語の音、英語の音
以前、日本語の発音のしかたとの対比で英語を話す際のポイントを説明しようと、「英語はドンツク・ドンツク・ドンツクで話す」という記事を書いたことがあります。要するに日本語は音節単位で、しかもどこを特別強調することもなく、平板な感じで流れて行く言葉なのに、英語の場合は、各音節を同列に扱うのでなく、単語の中で一番強く発音する音節 (stressed syllable) に焦点をあわせて、それをビートに乗せる、起伏のある言葉だということを説明したつもりです。
こういった問題意識を持っていたので、先頃、「週刊新潮」(8月30日号)の紙面で、あのピンクレディーの歌を手がけたことで知られる有名な作曲家、戸倉俊二さんがほぼ同じことをおっしゃっていたので驚きました。「マイフレーズ」という題の連載コラムでしたが、話は山本リンダの「どうにもとまらない」をめぐる楽屋落ちです。その中で、舌ったらずの彼女にいかにうまく歌わせようかと頭をひねっているうちに思いついたのが「日本語を英語風に発音させる」手だったというくだりがあります。どういうことかと言うと、普通なら
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2007年4月30日
TITLE:(完)インフォーマルとフォーマルを使いわけるには
以前にご紹介した、Nina Weinstein の LIsten & Say It Right in English--When to use formal and everyday English (National Textbook Company) の題材を元に、インフォーマルとフォーマルとの違いがわかるような会話例を作ってみました。
ご覧になっておわかりのとおり、インフォーマルな話し方の特徴は(1)単語レベルで最初からくだけた感じの単語を使い、また、(2)構文レベルでも、やたらと省略すると言えます。
そうとすれば、学習の際にも、辞書の用語案内と言うのか、使う上での注意事項に十分、注意を払う価値があります。例えば、ロングマン英和辞典で immediately の項を引くと、immediately と at once は、「直ちに」「すぐに」の意味の言葉のややフォーマルな語とあり、続けて、right away を持ち出し、「『今すぐに』の意味で、主に話し言葉で用いられるとあります。
一方、構文上、きちんとしたものを使うということは、相手に対してフォーマルな言い方をすることで距離を置かせてもらいますよ、と合図しているわけですから、そんなことに構わず、やたらインフォーマルな言い方で応じるのは感じの悪いものです。こちらが一所懸命敬語を使っているのに、向うがなれなれしい言葉遣いをするような違和感があります。
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2007年4月23日
TITLE:英語発音検定(続)
前回、「問題数が少なくて物足りない」という方に低い評価をつけられてしまいました。しかし、そう言われても、相手はプロの声優で、そうは間違えてもくれないわけで、困ります。ひとまず実際にあった失敗3例を素材にしただけです。とは言え、もっと出せと言えば、ありがちな失敗というのは結構あるものです。そこで10題の続編を作りました。
前回、Comptroller などという特殊な単語があったせいで合格率が2割を切ってしまったようですが、前回の3題も復習を兼ねて入れておきましたので、少なくとも3点はかせげます。
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2007年4月22日
TITLE:英語の発音検定
たった三題の発音チェックですが、どれもアメリカ人声優が間違って発音し、録音をやりなおしたものです。そう、ネイティブスピーカーだってピンキリです。
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あと、ネイティブスピーカーでも迷うことの多いのが名詞と名詞が組み合わさっている複合名詞 (compound noun) です。発音のルールは、WOrd PROcessor のように、両方の名詞に等しくアクセントを置きます。これが原則です。(ただ、人によっては、WOrd processor というふうに頭の名詞だけ強調する人もいます。)いずれであれ、うしろの名詞だけを一段と強く発音するのは、これから説明する、 cotton shirt のたぐいだけです。
上の原則に対する例外は、cotton shirt のように、先に出て来る名詞が素材や材質を表しているもので、この場合は、cotton SHIrt のように、うしろの名詞にアクセントを置きます。ですから、金市場を言うときは、GOld MARket と発音すべきで、gold MARket と発音すると、金で出来ている市場という意味になってしまいます。
ところでこういった話でいつも思い出すのが bear market という単語。3年前になりますが、NHKラジオの「ビジネス英会話」の会話例を収録していた際、声優がなぜか、この「下げ相場」という意味の単語をきちんと発音できず、何度リテイクしても bear MARket と言ってしまうのです。やはり恥ずかしいのか本人が顔を真っ赤にして繰り返すなか、他の声優仲間がみんな腹をかかえて笑っているという状況が3、4分続きました。無理もありません。BEAr MARket なら「下げ相場」と聞こえますが、bear MARket では「熊さんたちの市場」と聞こえるからです。
この下りは、当時のテキストをまとめ直した本にはいっていますので、探してみてください。最後のほうです。書名は「即戦力がつくビジネス英会話」で、来月、DHCから出ます。
ちなみにこの本は、書いた本人が予想しなかったぐらい、親切な作りになっています。担当の編集者が実に読者思いの方で、会話例と言い、本文の基本表現例と言い、ちょっと多すぎるんじゃないと感じるほど単語解説が入れてあります。辞書を引かなくてもよさそうですから、ビギナーの方でも安心して使えるかと思います。
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2007年4月16日
TITLE:(4)インフォーマルとフォーマルを使いわけるには
それでは、前回とりあげた、Martin Joos という言語学者の5分類の中身を見て行きましょう。
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2007年4月14日
TITLE:(3)インフォーマルとフォーマルを使いわけるには
★ 普段着の会話とフォーマルな会話
このシリーズの初回で述べたとおり、「インフォーマルな言い方をするか、フォーマルな言い方をするかは、(1)状況、(2)人間関係、(3)心的態度(話し手の気持ち)、そして(4)話題の4つの要素の兼ね合いで決まりますから、この枠組みに即して考えると、エレベーターの中での見知らぬ人との会話であり、話し手の気持ちとしては、社会人として妥当な丁寧なふるまいをしたいのが普通で、話題もニュートラルですから、ここはフォーマルな言い方を選択すべき場面です。
そこで、まず、フォーマルとされる方の言い方をグリーンの文字で示し、解説を付けてみました。
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2007年4月12日
TITLE:(2)インフォーマルとフォーマルを使いわけるには
前回、phew さんから、「丁寧表現の使いわけの目安」を説明して欲しいというリクエストが寄せられましたので、テストばかりというのも飽きるでしょうし、ちょっと目先を変えて、この問題を取りあげたいと思います。
こういった丁寧表現の使いわけのポイントについては、既に、 「インフォーマル、フォーマルを使いわけるには」という記事を書いていますので、あちらを(1)と位置づけ、その続編を書く感じで進めさせてください。
ちょうどうまい具合に、2004年前期の「ビジネス英会話」テキストを単行本として出すに当たり載せきれなかった部分(2004年6月号の Study Notes)に、格好の素材がありますので、まずは、これをざっとご覧ください。なお、このテキストは、来月、DHCから「即戦力がつくビジネス英会話」というタイトルで出る予定です。
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2007年4月 4日
TITLE:(後編)電話英語の腕試し
「会社で使う英語 スキルアップゼミ」(桐原書店)から題材をとったテストの後編です。
前編でも申しあげたとおり、是非、 ビジネス英語表現集 (Business English 208)のChapter 2で、発音を確かめてください。クリックするとそのままで音声が出る便利なしくみになっています。
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2007年4月 1日
TITLE:(続)電話英語検定
「けんてーごっこ」(www.kentei.cc) での検定作りがおもしろくなってしまい、電話英語検定の続編を作ってしまいました。気楽にやれて、それでいてためになるものをと心がけたつもりです。お試しください。
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ところで、こちらの検定は知っているかどうかで勝負が決まる、つまり知識を問うだけの単純な検定ですが、世の中、ちゃんと考えられるかを問う、いい検定を作る方がいらっしゃるものです。
知り合いのTOEICの専門家、Jay先生が、実際には存在しない単語を用いており、したがって、実用性はゼロだけれど、「TOEICの文法問題に強くなる検定」を公開されました。なぜまた、ありえない単語を使うのかと考えたのですが、言葉の形式に頼るという安易なルートを閉ざし、言葉の背景にある「言葉の作り」がわかっているかで勝敗が決まるようにしたいからでしょう。知能テストのようなもので、緊張させられますが、語学のセンスが身につく仕組みになっており、勉強になります。
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2007年3月31日
TITLE:電話英語の検定を作ってみました
ビジ英検定の受験者が400を超え、みなさん楽しんでくださっている様子があるので、わずか5問ですが、「電話英語の検定」を作ってみました。「電話英語の腕試し」の復習を兼ねて遊んでみてください。
デフォルトの合格率(つまりこちらでは変えられない合格ライン)が5問中4問と高めのせいか、前回の「ビジ英検定」と比べて、挑戦者の3割ぐらいしか合格せず、ちょっと意外です。でも、中身は基本中の基本です。
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2007年3月30日
TITLE:(前編)電話英語の腕試し
「会社で使う英語 スキルアップゼミ」(桐原書店)の電話の章で出て来る用例を基に、電話英語の腕試しを作ってみました。
普通に英語を使っている人なら誰でもヒントを手がかりに、簡単に答えがわかる、そういうレベルのテストです。なぜ、こういう言い方をするのかといった点にご興味のある方は、上の「会社で使う英語 スキルアップゼミ」をお読みください。(慶應義塾外国語学校でのビジネス英語速習コースーー特別講座 Business English 208ーーの教科書でもあります)
番号の振り方がちょっと違いますが、この用例の音声は、 「ビジネス英語表現集」の「電話」の項で聴けます。クリックすると(別画面とならずに)そのまま音声が聴ける、気の利いたしくみになっています。電話英語は聴き取りがイノチですから、不安なく、「ああ、あれね」とわかるようになるまで繰り返し練習してみてください。
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2007年1月17日
TITLE:(1) インフォーマル、フォーマルを使いわけるには
どの言葉でも同じですが、英語でもインフォーマルな言い方とフォーマルな言い方があります。ひとまず話し言葉で使うけれど、書き言葉では使わないのがインフォーマルとは言えます。逆も真なりで、普通の会話に moreover や nevertheless を使うのはいかにも文章用語が混入している感じで、妙な感じがするものです。
しかし、突き詰めて何がインフォーマルなのかと考え出すと、けっこう微妙で、一言でこうだとは言えません。実際、同一表現につき、辞書によって、扱いが違ったりします。例えば、聴き取れなかったので、聞き返す場合の Come again. などは、ある辞書は話し言葉というくくりにしてある程度なのに、別の辞書だとわざわざ Informal というラベルを付して、注意を促していたりします。
★ なぜインフォーマル/フォーマルを意識しなければならないのか
そもそもインフォーマルか否かは学習者としてなぜ問題かと言うと、われわれノンネイティブとしては、インフォーマルなものは、見たり聞いたりしたときにわからないのでは困るので、それを知っておく必要はあるものの、自分の方からは使わないほうが無難なものが多いからです。このように微妙な節度が要求されるので、何がインフォーマルかを知っておく意味があります。このあたりの問題意識が希薄だと、アメリカ留学帰りの御仁がよくやるように、面接の場で Yeah などを使って顰蹙をかったりするものです。
反面、何がフォーマルかを知っておかないと、およそそういう場面ではないのに、妙にかしこまった言い方をする結果となり、しらけます。いや、相手が気味悪く思う危険すらあります。
ということは、インフォーマルか否かの「眼力」がないとコミュニケーションの妨げになるということであり、この点にこそ最大のポイントがあります。
そこで、今回は、インフォーマルな言い方を選ぶべきか、フォーマルで行くべきなのか、あるいは、どちらでもないニュートラルな言い方なのかをどう使いわけるかを考えていきます。実は、インフォーマルか、フォーマルかという問題は、どういう場合にインフォーマルで行くのか、あるいはフォーマルな言い方をするのかという「適用場面」の判別の問題と、そもそもどういうものを指してインフォーマルと言い、あるいはフォーマルと言うのかという「その言い方がどの区分に属するのか」という二つに分けて考えるべきものですが、今回は、前者に話を絞り、後者は機会を改めて続編で取りあげたいと思います。
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2006年11月16日
TITLE:(続)英語はリズムだ!Jazz Chants というアプローチ
Googleの検索欄に「キャロリン ジャズ チャンツ」と入れると400件近くヒットします。英語でも、例えば、"carolyn graham" 'jazz chants" と入れると3万件以上ヒットします。きょうは、この Jazz Chants (登録商標なので正式には右上にマルアールの印が入ります)について話をさせてください。英語のリズムというものを感じ取っていただけるのではないかと思います。
実は、きのう、この Jazz Chants を30年近く前に考案された Carolyn Graham さんご自身のワークショップに参加してまいりました。しかも、始まる前のちょっとした雑談の中で具体的応用法までも教わるという予想外の「おみやげ」つきです。実に気が利いている英語学習法で、1人で「持っている」のももったいないので、読者のみなさんにもおすそわけ、という気持ちで書いています。
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2006年11月15日
TITLE:英語はリズムだ!でも落とし穴もあります
言葉はリズムです!英語は一段と強く発音する部分が一定間隔で並ぶ stress-timed rhythm が特色で、日本語のように音節をただ並列する syllable-timed rhythm とは違います!と強調さえれても、頭の中で「へぇーそうなんだ」と感心しているだけでは何も始まりません。(英語の発音の特色については、 英語はドンツク・ドンツク・ドンで話すをご覧ください)
英語の本体である話し言葉を身につけようという以上は、音声教材を聴きながら、指で机の上をたたきながらリズムを取るなど、何らか体を動かす必要があります。子どもならともかく、いいおとなが手振り身振りでリズムを取るのには抵抗があるかも知れませんが、座学でのリズムの習得など無理に決まっています。
別に人前でやる必要はないのですから、少なくとも独りで勉強しているときは、例えば iPodに入れた教材を聴きながら、指で静かにリズムをとることぐらいはできるでしょう。あるいは一度は家でおおげさな手振りでおぼえたリズムを今度は外を歩きながらイメージで再現するという手だってあるはずです。何であれ、音と体の動作を常に結びつける動作が大事だと思います。
実は最近、中国語がおもしろくて、いろいろとかじり始めているのですが、そこでの体験からも、改めて言葉は音だよなと実感しており、音で英語をおぼえるに当たってのヒントもいろいろと得ています。
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2006年10月31日
TITLE:(下)英語は「ウーン・パッ」「ウーン・パッ」で話す
★ 普通の会話での「ウーン・パッ」「ウーン・パッ」
be208の空港でのあいさつに出て来る、次の一文で発音の基本を確認してみましょう。相手に紹介する際に、同僚が製造部門に属している人だとコメントする言い方です。
She's on the production side.
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2006年10月30日
TITLE:(上)英語は「ウーン・パッ」「ウーン・パッ」で話す(ビギナー向け)
ビジネス英語の授業で、受講生に英文を読みあげたりしてもらうと、いまだに、各音節を等しく強調したリズムで読む人がいて驚かされます。英語のリズムがどういうものかを教わる機会のない人が増えているようで、例えば、
は、最初に息を吸って(ここが「ン」に当たります)から、一段と強く発音する部分(以下 stress=アクセント=ビート)を置きながら、「パッ」「ウーン」「パッ」「ウーン」「パッ」と3拍の「パッ」で読むセンテンスです。
そうであるのに、日本語と同じ感覚で音節を基本単位にし、nai su tu mee tu yu ah gain と8音節で、しかも、「だるまさんがころんだ」と同じ調子で強弱をつけずに読みあげてしまいます。(英語として読む場合は、ウーンパッ・ウーンパッ・ウーンパッの3拍であるべきはずのものが、ドン・ドン・ドン・ドン・ドン・ドン・ドン・ドンという平板なものになってしまいます。
何語でもそうですが、英語は書き言葉である前に話し言葉です。そうだというのに、英語がどういう響きを持つ言葉なのか、つまり "the music of English" がどういうものかを意識しないまま英語をやみくもに文字を介して頭でおぼえようとする人が多いのは、残念です。どう発音されていたのかわからない古代壁画の言語とは違うのですから、もったいない話でもあります。
一方、ある程度は意識していても、英語独特のリズムとメロディーをきちんとおさえてからでないと、近頃はやりの英語の音読など、かえって有害無益だとすら言えます。一度身についた発音のクセというのは容易に元に戻せるものではないからです。(だからこそ、変な人に習うよりまともな音声ファイルを繰り返し聴いてまねした方がいいに決まっているのです)
そもそも読み書きなどできなくても、英語は話せます。そのぐらい音としての英語が重要だということです。アメリカ国民の5人に1人が読み書きはできないけれど英語で生活している事実が何よりの証拠です。英語の本質はその響きに、具体的にはそれが打ち出すビートにあるというのが私の理解であり、経験でもあります。
英語という話し言葉は、14音節あったら強弱のない14拍で話す日本語と異なり、一定間隔でビートを刻む言葉であり、例えば、abcd / efg / hijk / lmnop というABCの歌の一節で言えば、音節としては 16音節あるのに、ビートは、つまりウーン・パッのパッが来る場所は、4つです。この点にこそ、フランス語ともスペイン語とも、はたまた日本語とも違う、英語らしさがあります。
そこで、今回は、ビギナー向けに、スピーキングに必須の基礎知識のおさらいをしてみます。
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2006年7月21日
TITLE:(下)英語のスピーチと日本語のスピーチは何が違うのか?
★ その実例: Gordon Gekko の大演説
映画「ウォール街」の中に、主人公の乗っ取り屋 Gordon Gekko(マイケル・ダグラス)が大株主として、買収のターゲットである会社の株主総会に乗り込み、居並ぶ経営陣を前に、自分を支持してくれるよう他の株主に呼びかける場面があります。
彼のメッセージは、乗っ取り屋の行動原理である「貪欲」(greed) は悪いことかのように言われるけれど、そうではないということです。そして、悪いどころか、むしろ株主たちの持株の資産価値を高め、ひいてはアメリカ経済を活性化させるという意味で「善」だ、何が悪いと駄目を押します。
そして、前項で紹介したセオリーどおり、「バン、バン、バン」の繰り返しやら、「チン、ドン」という相対する語句の並列によるコントラスト作りも入っています。
それでは実物をご覧ください。
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2006年7月19日
TITLE:(上)英語のスピーチと日本語のスピーチは何が違うのか:「バン、バン、バン」「チン、ドン」そして「ガシャーン」という技術
いいスピーチには人を動かす力があるとされます。しかし、スピーチ、スピーチと言うわりには、そもそもスピーチの何たるかがまるで理解されないまま語られているのではないでしょうか。例えば、「結婚式のスピーチ」という言い方がありますが、あんなものはスピーチでも何でもありません。だから退屈なのです。
昔、西洋から様々なものが中国経由で伝わってきましたが、なぜか鍵の文化と弁論術の文化は中国でストップしてしまい、日本には本格的に伝えられることのないまま終わったと言います。鍵はともかく、自分の言いたいことを理路整然と伝える技術である弁論術が伝わらなかったというのは納得できます。結婚式のスピーチと言い、社長や学長の訓示と言い、どれも、何を言いたいのかよくわからないものばかりで、しかもストラクチャー(構成)つまり、英語の世界では当たり前のこととされている「言いたいことを伝える手順」にのっとっていません。まあ、だから、おもしろくないのです。構成や工夫のない話がおもしろいはずがありません。
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2005年10月31日
TITLE:略語はどう読みあげるのか:EBITDA, GAAP, FIFO, LIFOの世界
略語がややこしいのは、OECD(Organization for Economic Cooperation and Development = 経済協力開発機構)のようにアルファベットを一字ずつ読み上げるタイプのものと、OPEC(Organization of Petroleum Exporting Countries = 石油輸出国機構)のように、OH-peck と、何か単語かのように読むタイプのものがあることです。しかも、大至急を意味するASAPのように、A-S-A-Pと一字ずつ言う人もいれば、ay-sapと単語のように使う人もいるという具合に必ずしも統一されていないケースもあり、学習者を泣かせます。
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2005年10月30日
TITLE:(完)英語の切れ目:ケネディー大統領、キング牧師、そしてチャーチル首相の演説に学ぶ
英語を話す人々は、カンマ、ダッシュあるいはピリオド以外の所でも、ごく自然に自分のことばを切っているという点を2回にわたって、説明してきましたが、論より証拠ということで三つの有名なスピーチの出だしの部分を取りあげたいと思います。ケネディー大統領の就任演説、マーチン・ルーサー・キング牧師の、あの有名な、 "I have a dream" の連呼で知られる演説、それとドイツがフランスに侵攻した時にイギリス人を奮い立たせた、チャーチル首相によるラジオでの初演説です。
カンマ以外のところで、「休止符」が打たれている部分を ▽ であらわしました。これをご参考に、いずれも意味上の固まりで切ってあることをご確認いただければ、プレゼンテーションなど、人前で英語を話す機会のある方に役立つものと思います。
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2005年10月29日
TITLE:(続)英語の切れ目:is や that の前に休止符を入れる
前回、意味上ひとまとめにできる単語はひと息で発音するもので、その結果、ひと固まりの単語から次のひと固まりへと移るところでは心持ち間を置くことになると説明した上で、書き言葉の場合にカンマを打つケースならそれが手がかりになるけれど、そうでない場合は、センテンス内のどこで切るべきかで迷うものだといった話をしました。
きょうは、その続編で、少なくとも述語動詞として使われている is、それと動詞などを受け止めている that 節の頭に入っている that の直前で切るようにすると「サマになる」ということに触れておきたいと思います。人様の英語のプレゼンを聴いていると、せっかく発音がいいのに、is や that の前でひと呼吸入れるという、ごく当たり前の英語の話し方をしていないがために、何だかモタモタした印象を受けるものです。
英語のメッセージがどこで切れるのかといった話は、英語を話したり聞いたりする上で、重要とは言えなくとも、間違いなく不可欠の知識であり、感覚だと思います。ところが、一般には、見落とされているか、どうでもいいこととされているようで、現に店頭で英語の発音を取りあげている本をのぞいても、こういった話は出てきません。しかし、このあたりを心得ておくと、理想型である clear speech の域に近づけますし、リスニングの際にも相手のリズムに乗ることができ、論旨を追う上での負担が一気に減ります。
一方、英語を音読する際にも、リズム、ストレス、イントネーションに加えて、素材の英語がどこで切れているのか、あるいは切ってしかるべきなのかを意識しながら進めないと、オウム返しの域を出ずに終わり、発音のスキルが中途半端なもので終わり、いざ、お手本なしで音読しようという段になって自己流に陥ってしまうものです。
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2005年10月28日
TITLE:英語の切れ目:話すときのポイントは意味上の固まり+休止符
普通に英語を話す人はいちいち意識しませんが、英語を話すときには「切れ目」があります。簡単に言ってしまえば、英語を話すということは、英語独特の「強弱強弱」というリズムに乗せながら、言いたいことをひと固まりずつ区切って、相手に伝えるという作業です。そして、一つの固まりから次の固まりへと移るところでは、かすかな間を置くという意味で「休止符」が入ります。ところが、英語と縁の薄い人々にとっては、この意味上の固まりなるものが、感覚的にまるでつかめないようです。
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2005年8月17日
TITLE:話を切り上げるための決まり文句:「失礼します」から「話はこれまでだ。これ以上何も言うな」まで
以前に英会話の本質を取りあげたシリーズ(5月6日から11日にかけての「英会話とは何ぞや」(その1?その6))で説明したとおり、会話の本質は会話の当事者が形成する「二人の世界」にあり、そこから、場面に応じて、これより二人の世界が始まることを告げるフレーズ、二人の世界が続いていることを確認し合うフレーズ、そして、最後に、これにて二人の世界は終わりだと告げるフレーズというものがあります。
今回は、二人の世界の終わりを告げるフレーズをまとめておきました。こういったフレーズを身につけていないと、二人の世界から抜けたくても抜けられず、困ったりするものです。そのいい例が電話での会話でしょう。相手が長電話で、こちらから切り上げたいのに、そのきっかけがつかめず、あるいは何と言い出したら良いのかがわからず困っている人をよく見かけます。そこで、今回は、電話を含め、こちらから話を打ち切るときの典型的な言い方を見ていきます。
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2005年5月13日
TITLE:追補:リスニング能力を身につけるための基礎知識
前回の「リスニング能力を身につけるための基礎知識」で、「英語を話す人は、前置詞や冠詞、助動詞あるいはam, is, areなどのBE動詞といったセンテンス内の補強材は敢えて軽く流す一方で、名詞、動詞、形容詞、そして副詞といった「構造材」を重点的に拾いながら、しかも、その際、個々の重要単語内で一カ所だけあるstressを置く部分さえ聞こえればいいといった感じで音を出している」と述べましたが、この部分、英語に慣れていない人にはちょっと不親切だったかなと反省しております。今回、もう少し詳しく説明させてください。
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2005年5月12日
TITLE:リスニング能力を身につけるための基礎知識
スピーキングの話が続いたので趣向を変えて、リスニングの話をしてみたいと思います。どうしたら英語が聴き取れるようになるのか、つまりリスニングができるようになるのかという話です。学生からこの種の質問を受けた場合は、もちろん、耳を慣らすというのは不可欠の練習だけれど、その前に、英語独特の発音のルールを知っておく必要があると申しあげることにしています。
この「相手のルールを知る」と言うのは、例えばリーディング(そしてリーディングと表裏一体をなすライティング)の能力を向上させようという場合に即して言えば、書き手が英文を書くということについてどのような教育を受け、どのようなルールに従って書いているのかを知っていれば、それを「解読」するのも楽だという理屈です。
この点、英語はどう発音せよということになっているのか、英語の発音はどこが独特なのかと言えば、英語を話す人は、前置詞や冠詞、助動詞あるいはam, is, areなどのBE動詞といったセンテンス内の補強材は敢えて軽く流す一方で、名詞、動詞、形容詞、そして副詞といった「構造材」を重点的に拾いながら、しかも、その際、個々の重要単語内で一カ所だけあるstressを置く部分さえ聞こえればいいといった感じで音を出していることです。
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2005年5月11日
TITLE:英会話とは何ぞや(その6):英会話はどこが特別なのか、ライティングとどう違うのか
どうしたら英語がもっとできるようになるのかという質問をよく学生から受けますが、やはり勉強のできる学生は尋ね方もツボをおさえています。自分はライティングに関してはこうこう、リーディングはこう、リスニングはこれこれをやっており、進歩も感じるけれど、スピーキングがよくわかりません、とっかかりがわかりません、といった聞き方をしてきます。実際、きのう、月曜も、授業の終わったあとで同じようなことを聞かれました。そこで、このブログを始めたことでもあり、この際、英会話の特質についての自分なりの見方をご紹介し、勉強している人に役立ててもらおうと、本稿をまとめてみました。
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2005年5月10日
TITLE:英会話とは何ぞや(その5):聞き手のリアクション、こういうのもあります
前回は聞き手のリアクションとして典型的なものをひとまず整理して、一応まとめてあるものをご紹介しましたが、今回はおまけということで一種の「福袋」をお届けします。分類整理をきちんと済ませてない、自分のノートの一部ですから、前回ご紹介したものと重複しているものもありえます。従って、本当はこんなものお見せすべきでないのかも知れません。しかし、人によっては「ああ、こう言えばいいのか」とヒントになることもあるでしょうから、ひとまず公開させていただきます。
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2005年5月 9日
TITLE:英会話とは何ぞや(その4):聞き手の方から送る合図(リアクション)のいろいろ
本編と続編に分けて、会話という「二人の世界」を維持するために、話し手の方から送る信号ないし合図を紹介してきましたが、今回は自分が聞き手役に回ったときに期待される合図をご紹介します。
ここまでの話をもう一度まとめておきますと、英会話は、話し手と聞き手とが一定の手順を踏んで形成する「二人の世界」であり、参加者は交互に話し手と聞き手としての役どころを務め、その役どころに応じた合図を相手に送り続けねばならないということです。何であれ、会話に参加している以上は、話し手も聞き手も「しゃべり続け」なければならないのです。特に聞き手は一定の頻度で「聞いているよ、聞いているよ」と信号を送り続けていないと、「交信途絶か」「二人の世界が崩壊したのか」との不安を相手に抱かせてしまいますから、聞き役だから楽だなどと手を抜くわけに行きません。常にリアクションが求められるのです。
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2005年5月 8日
TITLE:英会話とは何ぞや(その3):話し手が送る各種の合図(続)
「英会話とは何ぞや(その2):話し手が送る各種の合図」の続編です。今回は専ら話し手の方から送る合図のうち、right, so, um, well, you knowを取り上げます。こんな会話の小道具にこだわって妙な奴だとお思いでしょうが、24.5分の会話を分析したある研究によると、話し手と聞き手の交替(つまり話す順番が自分にまわってく場面)が401回あり、そこにおいて話し手が切り出す際にこういったdiscourse markerを使うことが、聞き手にとっての予告編として機能し、コミュニケーションを円滑にしているとのことです。ちなみに、いろいろ登場する合図の中で分析するだけの価値があるとして取り上げられているのは、AND、 SO、 WELL、そしてOHの4つです。
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2005年5月 7日
TITLE:英会話とは何ぞや(その2):話し手が送る各種の合図
前回、英会話というのものが所定の手順を踏みながら進められるものであることを説明しましたが、その中で、話し手は、「二人の世界」での自分の現在位置を相手に知らせたり、自分でも確認するために一定の信号を相手に送る一方で、聞き手の方も、まだ自分が参加しており、「二人の世界」は続いていますよと知らせるため、いわば「聞いているよ、聞いているよ」とアピールするための信号を送っています。ここでは、まず前者つまり専ら話し手の方から送る合図ないし信号の特集をお届けします。
ふと考えてみると、何気なく使われているかのように見える合図をきちんと分析している各種文献のあること自体、妙な感じも受けます。しかし、もう一歩踏み込んで考えてみると、いずれも会話の本質を語る上で不可欠の要素であることがわかってきます。例えば、WELL, UMといった言いよどむときの時間稼ぎ的な合図までもがこのように定型化されており、研究対象となりうるのは、英会話の場合、交互に話し手または聞き手の番が来るというルールがあるため、何も言わずに「交信途絶ないし無信号状態」に陥ると相手に話し手の番が回ってしまうという暗黙の了解があることを物語っているのです。だからこそ、順番が移ってしまうのを食い止めるツールが必要になるわけです。それほど交替で話すというルールが徹底されているのだということでもあります。
数が多いので、二回に分けさせていただき、今回は、actually、and、like、now、oh、okayを取り上げ、次回、right、so、um、well、you knowなどを見て行きますが、いずれも代表的な合図すなわちdiscourse markerで、この程度おさえておけば十分役立ちます。英語を話す機会のある方は、試してみてください。会話に参加している実感が得られるはずです。機会の少ない方でも、映画やビデオなどでもこの種の合図に注意しながら会話を聞いていると話の流れ、話し手が伝えようとしているニュアンスまでもわかってくるので、おもしろさが倍増するはずです。
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2005年5月 6日
TITLE:英会話とは何ぞや(その1):会話を成り立たす一定の手順が暗黙の了解になっている
ご自分の英会話の先生に英会話って何ですかと尋ねてみたら、ほとんどの先生は正面から答えられないのではないでしょうか。本来であれば、これにまともに答えられないとあっては、自分は何をやっているのかわからないでやっているも同然ですからことは重大です。ところが幸い、誰もこんなことを尋ねるはずもなく、おかげで、きょうも英会話学校や教室では英会話講師の方々が無事に稼ぎ続けています。そうは言っても、英会話とはそも何ぞという問いに答えることは、これから英語を話せるようになりたいという人にとっては大事な問題だと思いますので、今回は、日頃誰も見向きもしない、この問題つまり英会話の実体ないし本質をとりあげようと思います。
この点、基礎文法という土台の上に暗記した決まり文句その他自分なりに言いたいことをひねり出すための単語力を乗せていけば英会話はできるから、そんなもの知る必要はないと言われてしまいそうです。事実、自分でもそう思い込んでいた時期がありました。しかし、それが違うのです。しかも、そのことに気づかないといつまでも英会話に参加する要領を呑み込めないままで終わってしまいます。
実は、英会話の参加者は一定の手順を暗黙の了解として会話を進めているのです。ですから、外国人であるわれわれといえども、そういう手順があることをまずは認識し、その上で所定の手順に即して会話に参加するようにしないと、いくら文法が得意で、単語力があっても、まさにお話にならないのです。その反面、手順を知っていれば、単語力などは限られていても、それなりに会話に参加し、十分、楽しめもするのです。
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2005年4月30日
TITLE:アメリカ英語の発音は何が違うのか
Longman, Oxford, Macmillanと、最近は学習者向けの英英辞典に付属しているCDに発音機能が付いており、クリックすればその見出し語の発音が聴けるようになっています。しかもご丁寧にアメリカ英語とイギリス英語それぞれを別に聴けるようになっていたりもします。しかし、こういった単語単位の発音だけでは、なかなかアメリカ英語、イギリス英語の発音の違いがわかりません。
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2005年4月27日
TITLE:きちんとした英語の発音とは、どういうものなのか(完)
これまで、英語を話すときの決まりは、最初に息を吸って溜めておいてから、意味上の区切りに応じて一息ずつ小出しに呼気を使うこと、意味上の区切りのところで一段ずつ音程を下げること、全体のメロディーとしては、下がって行くのだといったことを説明しました。意味上の区切りごとに降りながら話すというのは、階段を降りて行くイメージです。例えば、I like the red one best.というふうに、主語、動詞、目的語、そして副詞という4ブロックの構成なら、それぞれが階段のステップに当たり、区切りの所で音程が下がるのを聞くつど、聞いている方も、ああ、区切りだとわかる仕組みになっています。また、一つの意味上の区切りであることは、音をひとまとめにすることで相手に伝えるわけで、そのため、書くときは間にスペースがある、いくつかの単語も、話すときは、主役である単語にstressを置くことを心がけなら、スペースなしの一単語として、つまり一息で処理するという手順も説明しました。
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2005年4月26日
TITLE:きちんとした英語の発音とは、どういうものなのか (続)
教員室で出勤簿にサインしているときに、ふと隣を見たら、あのY弁護士。1年先輩に当たる方で、大学生だったときから存じあげてますから、30年以上のつきあいになります。TVのワイドショーのたぐいによく出演しているし、パーティーで会えば、やはりテレビに出ているとかいうケバい女医と一緒で、こっちとは大違い。うらやましい限りです。ま、あちらはいつもアルマーニのスーツだし、二枚目俳優のようなマスクで、背も高いと来ていますから、わが身と比べるのは不遜というものでしょう。それはさておき、その派手好きの大弁護士がなぜか地味に非常勤講師もやっているというので、互いに受け持っているクラスの様子などを立ち話。その中で出てきたのが近頃の学生の優秀さ、熱心さ。とうてい、われわれの時代の比ではないということで意見が一致しました(二人とも酒とバラの日々で、授業なんか出やしなかったのです)。ところが、それほど優秀な学生でも、気の毒なことに英語の発音となると、まるで駄目なものです。
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2005年4月25日
TITLE:きちんとした英語の発音とは、どういうものなのか
テレビのおかげで人様の英語をそのまま聞く機会が増えているわけですが、知識人とされる方々の英語のお粗末さにはがっかりします。字幕翻訳の大家だとか、テレビや新聞によく登場する経済評論家の話す英語は、外国人による日本人一般の英語力に対する評価を落とすという意味で国辱ものです。テレビで情けない英語を披露したりすると、出身校の話になり、そこの英語力の話になってしまうのと同じです。
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