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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2009年11月28日

TITLE:TOEICからの申し入れ

ちょっと誤解を与えかねないタイトルで申し訳ありません。タイトルだけだと、何かTOEICがこのブログ上の批判的見解に対して、書留か何かで法的措置を取ると脅しをかけてきたような感じがしますが、自分のことではありません。取り上げたかったのは、人気ブログランキングでの隣人である、TOEIC連続満点サラリーマンのブログ、それと、TOEIC満点&アメリカ移住への道に対してTOEICが解答速報をやめろと申し入れをした話です。

ご存じの方も多いことでしょうが、上の二つの人気ブログで受験者の復習の便宜を考えてTOEICの解答速報を掲載していたところ、TOEIC側から止めろと申し入れてきたそうです。「TOEIC連続満点サラリーマンのブログ」のTEX加藤さんによると「TOEICは非公開の試験ですから、解答の漏えいがあると試験自体に影響が出る恐れがあり、また、問題を製作しているETSの著作権保護の観点からも解答速報はご遠慮頂きたい」という趣旨の申し入れがあったとのこと。

いやあ、驚きます。非営利の個人ブログを相手に、英検やケンブリッジ英検がこんなことをするとはまず考えられないだけに、なおさらです。経産省所管の公益法人だというのに、ライセンス元のETSの指示にしたがって、なりふりかまわず米国流の法律論をふりまわしているのでしょうか。

それはともかく、これを読んで、ああ、やっぱり歴史は繰り返すんだというのが正直な感想。と言うのも、1980年代のアメリカで、TOEIC 同様の客観テストであるSATをめぐって同じような問題が起こったからです。このアメリカの例は、営利企業がからんでいる点で決定的に違うものの、非公開のはずの試験問題が外部に「持ち出され」、発表されたのに対して、制作サイドがこれをやめさせるべく手を打った点、構図がそっくりです。

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2009年08月15日

TITLE:TOEICこぼれ話

8月11日にジャパンタイムズが TOEIC に関しての楽屋落ち的な特集記事を掲載しています。

TOEIC no turkey at 30という記事 で、タイトルは、30周年を迎えたTOEICが押しも押されもしない存在に成長していますという意味のものです。

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2009年02月24日

TITLE:TOEICは3,714語レベル

このたびアルクさんが出している会員向けの『マガジンアルク』で英英辞典の話をさせていただくことになり、インタビューを受けました。その中で、学習者向けの英英辞典がどこも定義文を2,000から3,000単語の範囲に絞っているという点に触れたおり、この「3,000単語というのはTOEICのスコアで言うとどのあたりか」と聞かれたのですが、即答できず、調べてからお答えするということで保留させていただきました。

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2008年08月18日

TITLE:TOEICスコアの読み方:前回との点差が70なければ「進歩ナシ」とするTOEICサイドの公式見解

よく学生にビジネス英語の教科書の言い回しを暗記したおかげでTOEICのスコアが何点アップしましたなどと報告を受けたりするのですが、自分では格別TOEICを意識しながら授業を進めているわけではなく、ちょっと不思議な気がします。

しかし、TOEIC Blitz Blogで有名な神崎正哉先生は、ビジネス英語物はTOEICに通ずるとされており、実際、「コロケーション重視の語彙学習書で、TOEICを目指して学習している人にお薦め。しかも208のキーワードはほぼ全てTOEICの頻出語彙。ビジネスでよく使う語とTOEICでよく出る語は重なっている」という見地から『仕事の英語 この単語はこう使う』(桐原書店)を、また「これをしっかりやったら英語の実力がつく。TOEICのパート3&4なんて楽勝」ということで「即戦力がつくビジネス英会話」(DHC) をほめてくださっています。ありがたいことです。改めてお礼申しあげます。

いずれにしろ、こういったTOEICとの相性(?)がいい教科書を授業で使っていることの、いわば副産物として受講している学生のTOEICスコアも伸びるようです。

とは言っても、同じスコアアップでも100点とか200点ならまだしも、うれしそうに「50 点アップしました」などと報告する学生に対しては、「前回との点差が 70 点はないと誤差の範囲内でしかなく、実力が上がったとは言えない」と教えてあげています。もちろん、私が勝手な数字を言っているのではなく、TOEICを制作している本家本元 (ETS) がそう言っているのです。

TOEIC(と言っても日本での代理店)のオフィシャルサイトでは、

このスコアは、常に評価基準を一定に保つために統計処理が行われ、能力に変化がない限りスコアも一定に保たれている点が大きな特長です

と言っており、実施回が違っていても、問題のバージョンが違っていても中身はそろうよう調整してあるという立場を取っているので、10点、20点程度のスコアアップでも、何か前進したような気になるのが人情です。

しかし、本当にTOEIC(ジャパン)が言うように、実施回が違っても統計上の処理により質的な同一性が保たれているなら、TOEIC テストの毎回の平均点を10回分並べた場合、ほぼ横一線にそろうはずです。ところが、実際は、以下のグラフが示すとおり、かなりのばらつきがあります。(各回の平均点はTOEICの公式データをもとにしています)

TOEIC%20data.jpg

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2008年07月27日

TITLE:TOEICを活かしたコミュニカティブ英語の学習法

前回の記事で、TOEICのための勉強イコール英語の勉強と思い込んでいると、本来目指しているはずの英語の習得から外れてしまうおそれがあると書きましたが、今いちど、TOEICのどこが問題かをまとめた上、それでもTOEICを中心に勉強したいという方のため、次善の策としての学習アイディアを提示したいと思います。コミュニカティブ英語という見地からTOEIC教材を料理し直す方法とも言えます。

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2008年07月23日

TITLE:TOEIC英語を憂える

出されている本の充実ぶりと言い、ブログTOEIC Blitz Blogに見る支持者の厚みと言い、いまや TOEIC 指南の神様になりつつある、神崎正哉先生のブログに、「攻略法批判」という記事が載りました。ひとことで言えば、攻略法マスターに血道を上げる向きを戒め、リスニング問題を聴いて理解できるだけの英語力そして集中力、同様にリーディング問題を読んで理解できるだけの英語力そして集中力をつけるのが先決だよと説く、いかにも神崎先生らしい、真っ正直な内容の記事です。

英語力の検定試験として国際的に認知されているケンブリッジ英検の最高レベルである Diploma を取得していらっしゃるだけに、ご自分の支持者というか、ファンの方々が小手先の技術に走り、せっかくの英語の勉強が TOEIC にばかり偏ってしまうことを心配されているのでしょう。

TOEICのスコアが上がるのを楽しみに勉強するのはモチベーションを維持する上でいいことですし、本人にとってもマイルストーン(里程標)としての意義があることでしょう。

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2008年05月27日

TITLE:TOEICで英語教育の効果を測定できるのか:教育再生懇の中間報告に疑問

このところ新聞で政府の教育再生懇談会の第一次報告が取り上げられています。例えば、25日の朝日新聞の見出しは、「5000校で小3から英語 教育再生懇が中間報告へ」。24日の読売は「小3から英語必修 小中高の英語教師にTOEIC」となっています。

このくだりは、「これまでの審議のまとめ 第一次報告」と題された報告書の原文ではこうなっています。

(1)小・中・高・大の各段階の到達目標を立て、国語教育等と矛盾しない形で、全ての段階で英語教育を強化する

○ アジア各国では、我が国の中学校相当の英語教育を既に小学校で行っている。真の国際人になるには、<中略>我が国においても、国は、小学校から大学までの各段階における到達目標を、TOEIC、TOEFL、英検を活用するなどして明確に設定し、英語教育を強化する。

<中略>

○ 現在、高等学校の英語教員でも英検準1級相当以上の者が5割にとどまることから、更に高いレベルを目指し、教育委員会は、TOEIC、TOEFL のスコアや英検合格を条件として課すなど、小学校教員、中・高等学校の英語教員の採用を見直す。

英語教育に到達段階を設けるという当たり前のことにようやく手をつけたのは画期的で大歓迎すべきことですが、「まさか」と驚いたのは、英語教育について、第一に、「TOEICなどを」活用して小学校から大学までの各段階での到達目標を明示せよとしている点、それと、第二に、英語教員の採用にTOEICの点数や英検合格などの条件を課すべしとしている点です。

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2008年02月11日

TITLE:大学の4割がTOEICで単位認定:問われる大学の見識

TOEIC みずから出している資料であるTOEICテスト入学試験・単位認定における活用状況を見ると、TOEICを単位認定に使っている大学は全国で289校にのぼっています。日本の大学数はたしか700校ぐらいですから、わが国の大学の4割でTOEIC が単位認定に利用されている計算です。驚きます。わが国の最高学府の4割がその存在理由とも言える単位認定をアメリカの業者がはじき出す数字に委ねてしまっているのです。

★ TOEICスコアは単位の代わりになるのか

そもそも大学での単位とは「1単位とは45時間分の学習、すなわち、1日8時間、土曜日5時間として1週間分の標準的な学習量」とされているものの、実際上は、一学期に1コマ(90分)の講義/演習が13-14回で2単位ですから、20時間前後で2単位認定するのが一般的だと思います。

仮に、2単位20時間だとして、例えば岡山大学だとTOEICで730以上取れば、6単位認めてもらえますから、TOEICのスコアによって、大学で60時間、英語を勉強したのと同等の扱いをしてもらえるのです。城西大学の場合は、TOEICで550以上取れば、指定された科目については、実際に授業を取らなくても単位を認めてもらえます。(ちなみに大学生のTOEICスコアは在学生の平均で430ぐらい、4年生が500弱ですから、点数的にはけっして楽とは言えませんが、TOEICは人並みの英語力のある学生であれば、プロの指導を受けることで100-200は簡単にスコアが上がるテストでもあります)

本来、上で見た通り、大学における単位というのは、標準的な学習量をこなしたことを前提に、最終的には担当教員の評価によって認定されるはずのものです。予め決められた分野別にバランスよく所定の科目を履修した人にそれを証するものを大学側の責任で個別に出して行き、最終的に124単位以上獲得したら、大学卒を名乗ることを認めましょうという制度であるはずです。ところがTOEICのスコアを基準に単位を認定するとなると、出欠を取ることにより標準的学習量を(少なくとも形式的に)こなしたかを問うということがなくなります。

また、TOEICみずから、試験の性格につき、自社サイトで、「何か一冊の教科書を使ったり、何かの参考書を頼りに、この試験のための勉強をするようなことはできません」つまり You cannot study for the exam using any one textbook or source material. とうたっています(そんなことを言いながら「公式問題集」といったTOEIC本を売っているのは愛嬌です)。特定のコースの内容といった具体的なものにつき、それを理解したかを問うのでなく、他の受験者との比較でどの程度英語ができるかを見ようというテストだということになります。と言うことは、標準的な学習量を経てその教科の内容を理解しているかを問う単位認定のためのテストとはまるで性格が違うということです。TOEICが一般的な知識・スキルを試すのに対して、単位認定のための評価やテストは学習した具体的な知識・スキルを試すのですから、単位認定の代わりにTOEICを使うというのはずいぶんと乱暴な話です。

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2007年04月03日

TITLE:(続)やぶにらみTOEIC検定

TOEFLのスコアランキングで日本は北朝鮮と並ぶアジア最下位レベルだという話が有名ですが、北朝鮮問題の専門家に言わせると、TOEFLを一般北朝鮮人が受けられるはずもなく、そこで言う北朝鮮人受験者というのは日本国内で受けた在日の北朝鮮籍の人々なのだそうです。それはともかく、日本人の出来が悪いのは確かです。

それでは、TOEICでのランキングはどうなのでしょう。受験者総数の8割方を日本人と韓国人が占めるテストで世界ランキングをうんぬんするのも気が引けますが、TOEIC自身が発行している、Report on Test Takers Worldwide - 2004というきちんとしたデータがあるので、それをモトに、またまたミニ検定を作ってみました。


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2007年04月02日

TITLE:やぶにらみTOEIC検定

TOEICを受けたり、そのために勉強している人より、むしろ、TOEICってよく聞くけれど、どういうものだろうと思っている方を対象に、こんなものを作ってみました。


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TOEICを目標に勉強していたり、あるいは、どういうものかをよく知りたい方にお勧めできるのは次の二つのサイトです。(ビジネス英語雑記帳の「TOEICのはなし」は、TOEICブームに疑問を投げかける内容なので、TOEICファンの方にはお勧めできません)

神崎先生の「TOEIC Blitz Blog」

Jay先生の「今日から始める英語トレーニング」

書いている方々がTOEIC関連の参考書も書かれているような現役の英語教員なので、スコアの高い人の単なる成功体験ではなく、この種のテストに取り組むためのノウハウが得られます。それでいておしつけがましさがなく、気楽に読めます。

arrow37r.gifよろしかったら、人気blogランキングに一票をお願いします。

2006年10月02日

TITLE:(下)TOEICなどの択一形式テストの限界

(5)波及効果が有害である可能性がある

生徒にとって重要なテストが多肢選択であれば、テスト準備が指導や授業に有害な影響を与える危険性があるのは言うまでもない。多肢選択アイテムを練習問題として使うのは、普通、言語運用能力を高めるための最良の方法ではない。アイテムの内容を検討するのに加え、どれが正解かに関するヒントを見つけるのに、 注意を払うような場合は特にそうである。

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2006年10月01日

TITLE:(上)TOEICなどの択一形式テストの限界

大学入試、就職、昇進といった人生の節目を左右するようなタイプの試験を英語では、賭けられているものが大きいということで、 high-stakes exams と言いますが、TOEICをはじめとする、この種のテストはたいていが択一テスト、つまりいくつかの選択肢の中から正答を選ばせる方式のテストです。

受けている方は特別考えることもないでしょうが、アメリカのサイトを見ていると、通常、標準テストが択一形式であることも手伝って、テストを作成し、実施する教師あるいは州政府の教育関係者が択一形式のテスト (multiple-choice tests) の是非について論じている資料があり、ついつい読んでしまいます。そうしたなか、ふと考えてみると、わが国でも英語検定だけでなく、各種の資格試験でも択一形式のテストが一般的なのに、別に誰も択一テストの問題点なぞ気にしていないようです。

しかし択一テストの典型とも言えるTOEICを例に言えば、日本国内での受験者が2005年度でおよそ150万人、企業・官公庁・学校などでの利用状況で言うと、2,600団体という異常な浸透ぶりであり、それだけに、TOEICその他の英語検定で用いられている択一テストの問題点を知っておくのは健全な市民感覚のために決して無駄ではないと思います。そこで、択一形式のテストのメリット、デメリットとしてどういうことが言われているのか、特にTOEICが択一形式によっていることにはどういう意味合いがあるのかを見て行きます。

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2006年08月15日

TITLE:(続)TOEICスコアは絶対評価なのか相対評価なのか

前回見ましたとおり、TOEIC受験界の権威、中田達也さんは、「600点のレベルに達している学習者が受験すれば、周りの受験者の実力には係わらず、常に600点というスコアが得られます」とおっしゃっていますが、これは、テストの実施回によって同一レベルの受験者の成績が極端に変わらないようにするための「標準化」という統計技術を踏まえてのご発言と見受けられます。

この「標準化」というのは、600レベルの受験者にとり、ある回のテストが相対的にやさしく、したがって、まわりの受験者の出来もいいときは、よりたくさん正答しないと600レベルにランキングされないようにする一方、次の回のテストがむずかしく、まわりの受験者も概ね出来が悪いときは、前回より少ない数の正答数でも600レベルにランキングされるようにするという統計技術のことです。受験回としては異なる別のテストの結果を共通の尺度で語れるよう、実質的な同一性を担保する技術と言えそうです。

例えば、財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(TOEICの日本での実施団体)の広報責任者は、北大のチャップマン先生のインタピューに答えて、 こう説明しています

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2006年08月13日

TITLE:TOEICは絶対評価なのか相対評価なのか:TOEIC界の権威は絶対評価説

10から990までのスケールで示されるTOEICスコアは、全部で200ある問題の正答数を直接反映するものではありません。ですからいくつか間違ったのに990(いわゆる満点)ということがざらにあります。それだけにわかりにくいとも言えますが、私に言わせれば、そもそもTOEICスコアは、TOEIC という部分社会における順位表であり、「860〜990はNon-Nativeとして十分なコミュニケーションができるレベル」から始まって「10〜220はコミュニケーションができるまでに至っていないレベル」という計5つの区分も、順位表に基づく独特の階級です。

そして順位表であれ、それに基づいての階級の区分であれ、一般社会とは異なる部分社会での約束事を前提にしているので、TOEIC界では、「Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる」階級に属していても、実社会では、英語でかかってきた電話一本取れないということが起きます。統計技術を駆使して設計された特殊な試験のこれまた目一杯統計技術が盛り込まれた特殊な評価がTOEICスコアだというのが私の理解です。

もとより「だからTOEICなんか駄目だ、やめとけ」と申しあげるつもりはありません。その限界をわきまえた上で、勉強の目安として使う分にはそれなりに有用なツールです。ただ、このスコアの意味が格別論じられることのないまま、英語能力の判定基準として独り歩きしているのが気になるので、スコアの意味合いを知っておいてもいいのではないかと感じています。特に絶対評価だとする向きが多いだけに余計気になります。

このようなTOEICスコアにつき、本家本元(www.toeic.or.jp )がどう説明しているかと言うと、正確を期しているのか、親切なのか、ともかく原英文をカッコ書きで示しながら、「スコアは正答数そのままの素点(Raw Score)ではなく、標準化(Equating) と呼ばれる統計処理によって算出された換算点(Scaled Score)です」となっています。つまり、受験した人やTOEICのスコアを英語力と同視する人は、単にスコアと言っているものの、正確には、

(a) 個々の設問での正誤による「素点」
(b) これの換算プロセスである「標準化」
(c) プロセスの結果である「換算点」

注:日本言語テスト学会の言語テスティング用語集を見ると、ここで言う「標準化」は「等化」、「換算点」は「尺度得点」としていますが、何かしっくりこないので、この用語で行きます。

という、三つの要素から成っており、これがTOEICスコアの中身だ、ということになります。

一方、本家に当たる www.toeic.org にある同様の説明を見ると、Scores on the TOEIC test are determined by the number of correct answers. The number of correct responses on each section is converted to a scale score.(TOEICのスコアは正答数で決まりますが、各セクションにおける正しい解答は 換算点に変換されます)ということです。となると日本のTOEICが "scaled score" と呼び、本家の方が "scale score" と呼ぶ、この換算点は何ぞやということになります。

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2006年08月11日

TITLE:韓国TOEIC事情:平均スコア日本以上の国で進むTOEIC見直しの動き

このところ、TOEICを何度か取りあげたので、日本と並ぶ、いや、日本を上回るTOEIC大国である、お隣韓国の事情はどうなっているのだろうと、ちょっと調べてみました。

まず受験者数ですが、驚くべきことに日本を上回っています。

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2006年07月27日

TITLE:(下)TOEICブームの虚実

★ 日本言語テスト学会が示すテストのありかた

日本言語テスト学会 (JLTA) の掲示板に、2003年時点での試案という形ながら、社会的要請にこたえる、ちゃんとしたテストと言えるかを判別するモノサシがあります。名称は、 The JLTA Code of Good Testing Practiceであり、Randy Thrasherという先生が試案としてまとめられたものです。(リンク先にうまくアクセスできないときは、〜 の部分が半角であるかを確かめてください)

このモノサシは、冒頭で、テストというものに対する基本的な理念を示しています。

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2006年07月26日

TITLE:(上)TOEICブームの虚実:社会的責任という見方

TOEICのオフィシャルサイト (www.toeic.or.jp) によると、日本国内での受験者は2005年度でおよそ150万人。大学入試センター試験の受験者数の2倍以上という数字です。企業・官公庁・学校などでの利用状況で言うと、2,600団体。しかも「企業では自己啓発や英語研修の効果測定、新入社員の英語能力測定などといった目的の他、海外出張や駐在の基準、昇進・昇格の要件としても採用されて」いる他、「大学・短大では英語課程の単位認定や推薦入試などでも利用されて」います。事実、7月12日付読売新聞の「国立大「使える英語」 TOEIC、TOEFLで単位認定」という記事によると「03年度に41校だった国公立大での活用校が、05年度には74校と、2年で1・8倍に急伸」だそうです。

TOEICブームと言われるだけのことはあります。受験者数、普及度、知名度、関連出版物の点数と、どの角度から見ても他を圧する英語検定であるだけに、個々人の人生を左右し、したがって社会的影響の大きいテストであることは間違いありません。朝日新聞が出している週刊誌「アエラ」までもが、「アエラ・イングリッシュ」という名前で TOEIC特集号を出し続けているほどです。すごいことです。

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2006年07月24日

TITLE:TOEICの正体はベルカーブ

coloredbellcurve.jpg

この、釣鐘状の線を描く正規分布曲線(以下「ベルカーブ」)、たいていの方が一度はどこかで目にしたことがあると思います。これで知能指数の分布が表される場合、平均値(真ん中の線)が100とすると、85-115(赤の領域)におよそ68%の人が、また、70-130の間(赤プラス緑の領域)に約95%の人が入るとされています。(統計がわかっている人は、この68%だの95%を指してすぐ標準偏差1だの2だのと言います)

このベルカーブをベースに一般読者向けに人種別の知能の優劣を論じ、1990年代の後半、アメリカで大変な物議をかもした本があります。ハーバードの心理学者 Richard Herrnstein (故人)と社会政策の論客 Charles Murrayの共著による、The Bell Curve です。非常に印象的な表紙をご覧ください。副題も刺激的で、Intelligence and Class Structure in American Life (アメリカにおける知能と階級構造)とつけられています。

bellcurvecoverpage.jpg

彼らは、人種別に知能のベルカーブを重ねあわせると、白人の平均(山のてっぺんが来る位置です)が100とした場合、黒人はその左側85あたりで、15ポイント低いという事実を指摘しました。黒人のベルカーブ全体が白人より左にちょっとずれているということです。その上、知能の決定要因はもっぱら遺伝の問題だと説いたため、大変な騒ぎになり、当然、ベストセラーにもなりました。出版された1994年当時、ギングリッチ率いる共和党が勢いを盛り返し、福祉を重視する民主党的なバラマキ政策を批判する気運が高まっていましたから、時代の空気と相まって、それみたことかという論調を後押しした格好です。(ちなみに、この人種別のベルカーブは、ヒスパニックが白人と黒人の間で、逆に、ユダヤ人と東アジア人は白人グループより右側に来ます)

なお、上の本は、Stephen Jay Gouldが書いた Mismeasure of Manで、あんなものはニセ科学でしかないと徹底的に批判されています。邦訳が、『人間の測りまちがい—差別の科学史』として河出書房新社から出ています。

きょうのトピックは、実は、あのTOEICがこのベルカーブをベースにしているという話です。まずはTOEICがベルカーブをベースにしているというのはどういう意味かを説明し、次いで、ベルカーブをベースにテストをするというのはどういう発想なのかを見て行きます。

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2005年07月21日

TITLE:TOEICを大学で教える人たち:英語教師のTOEIC談義

あるパーティーで、テスト理論にやたら詳しいアメリカ人の先生(以下「US先生」)と、大学でTOEIC向けのコースを教えているイギリス人の先生(以下「UK先生」)に挟まれる格好で TOEIC 談義を聞かされ、なかなかいい勉強になりましたので、その内容をかいつまんでお伝えしようと思います。

その前に大学で TOEIC を教えるって、いったい何をやるんだというごもっともな疑問をいだかれた方のためにちょっと補足しますと、大企業の半分以上が TOEICスコアを重視するご時世ですから、大学側も放置するわけにもいかず、いわば就職活動の支援のために TOEICコースを設けているところが増えているのです。こんなもの大学でやらず、自助努力に委ねるべきだと思っています。私自身は。

問題は、このテスト自体、英語のスキルがあるかを直接テストするというのでなく、過去の受験者を含めた受験者全体の中でどのあたりに位置づけられるかを統計学的手法で推理するものだということです。自動車免許の試験なら実際に車を運転させて直接、テストするわけですが、こうした間接的なテストは、択一問題などの正答率を通じて、この程度できるのだから、これまでテストを受けた人をずらりと並べた場合、このあたりのグループにランクされるだろうと決めているだけです。こうしたテストの性格上、特別な準備などできるはずもなく、練習問題を解かせてその解説をするといった域を出ていないというのが私の理解です。

要するに受験者の英語力全般の底上げを通じてスコアアップを手伝っているにすぎません。ですから、こんなコースにネイティブスピーカーを使うのはもったいない限りです。しかもそのネイティブスピーカーの多くが内心このテストを馬鹿にしているのが実情です。まともに英語を話したり書くことができない、担当クラスの学生が結構いいスコアを出すから無理もありません。

本題に戻って、TOEIC の先生たちの話です。US先生は日本に来てまだ日が浅く、TOEICブームに目を白黒させているタイプです。それなのに、初めて担当する大学での授業が TOEICコースというのですから、皮肉なものです。そもそも日本に来るまでTOEICを耳にしたこともなく、英語能力の検定なら IELTS (International English Language Testing System) がいいに決まっているという姿勢で凝り固まっている人ですから、TOEIC をやれと言われてさぞや驚いたことでしょう。

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2005年05月20日

TITLE:TOEICを批判する人:企業はTOEICをどう位置づけているのか、それはどうあるべきなのか

このビジネス英語雑記帳の5月15日号の記事で、「TOEICをわかっていない人たち:TOEICのスコアに対する認識不足と誤解を憂う」というタイトルの下、TOEICがグローバルスタンダードであるかのように思われているけれど、日本と韓国の受験者が大半を占めている現状からそうは言えないこと、また、TOEICは英語でかかってきた電話に出られるのか、メールを書けるのかといった能力を測定するテストではなく、受験者の相対的レベルを毎回の受験者総数との関係で割り出すだけのテストであり、受験者全体のレベルが低ければ、どんぐりの背比べを数量化しているだけだという趣旨のことを申しあげました。

ついでに言うと、TOEICはアメリカで昔から実施されている世界的な英語検定のように誤解されているようですが、あれは日本人(故人ですが、北岡さんという方です)がアメリカのテスト作成業者である Educational Testing Services (ETS) に発注して作らせたもので、この点からも、グローバルうんぬんという見方は間違っています。ちなみに、ETSはよく非営利団体と称されていますが、事業目的が営利か非営利かは別として、事実としては、年商が6億ドルというビッグビジネスです。http://arbiter.wipo.int/domains/decisions/html/2004/d2004-0324.html

こういった思い込みが是正されないといつまで経っても日本人の英語は資格のための英語というレベルに留まり、外国人と交渉できるようなきちんとした実用英語の域に達さないだろうと心配でなりません。これで文部科学省あたりが何か手を打ってくれるのかと思いきや、何と、その後、このお役所が打ち出した「英語が使える日本人育成のための戦略構想」において英語教員の英語力の目標値がTOEICのスコアで730点以上とされていることを知り、愕然としました。英語教育の基本方針を定める役所からしてTOEICが英語力を測定するものではないことを見過ごしており、何とも悲しい限りです。

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2005年05月15日

TITLE:TOEIC好きのTOEIC知らず:TOEICのスコアに対する認識不足と誤解

資格のための英語を社内標準としているのをやめて、実際に仕事をこなすために必要な普通の英語に目を向けて欲しいとの思いから、be208 [注記] の導入を働きかけるべく、つてを頼って様々な大手企業へのアプローチを続けています。その関係で、企業の研修担当者にお目にかかる機会が多いのですが、英語研修の担当者ですら、あの有名なTOEICがどういうものであるかよくおわかりでないか、あるいは誤解しているふしがあり、気になります。ふと思うに、スコアアップを期して何度も受験している方々も、特別、このテストの特殊性など考えたこともないのではないでしょうか。

[注記:be208というのは、私が実用英語の決まり文句を6分野に整理してまとめたパッケージで、右のサイドバーでご紹介している各種プロダクトを通じて既に9万人以上の利用実績があります]

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2005年04月18日

TITLE:TOEIC高得点者の弱点を補うビジネス英語本

記事のタイトルは、石倉由さんという方のブログにあった記事のタイトル「おすすめビジネス英語本 TOEIC高得点者の弱点を補う」から取らせていただきました。記事は、http://ish.parfe.jp/mt/archives/000891.htmlにあるのですが、アーカイブに入っているためか、試したかったトラックバックができませんでした。残念です。

さて、石倉さんによる拙著に対する評価ですが、まずは

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